自家消費型太陽光発電 導入事例
カモ井加工紙株式会社 矢掛工場 様
原価低減・利益率確保のための長期的な効果に期待
自家消費型太陽光発電 導入事例 インタビュー
主力商材はマスキングテープ。工業用・文具用を問わず世界中で愛用されている
──まず、貴社の製品とこちらの工場(矢掛工場)ついて教えていただけますでしょうか。
工事現場の養生で使用するマスキングテープや、文具用のマスキングテープを製造・販売しています。
本社が倉敷にありまして、創業当時は”リボンハイトリ”(リボン型ハエトリ紙)を製造していたのですが、
戦後に国内の需要が減ってきたところで、粘着技術を活かして、和紙粘着テープを製造するようになりました。
その後、バブルの時代に次々とビルが建つようになったころ、建築資材としてのマスキングテープ(ガラス回りのコーキングの養生に使用)の需要が高まってきたのです。
そんな中、工業用マスキングテープの生産のキャパシティが足りなくなって、この矢掛工場が1991年に竣工しました。

矢掛工業で生産されている工業用マスキングテープ。中央のKABUKIは車両塗装用、左右のSB-246S、No.3303-NEOは建築現場でのシーリング用。マスキングテープを使用する壁(被着体)の材質にあわせて、幅広いラインナップを製造している。
(工業用マスキングテープの)国内需要だけでなく海外での需要も増していることもあり、竣工当時よりも生産ラインは増やしています。
今では、この矢掛工場は土日問わず24時間で製造をしています。
従業員は200人ほどで、3~4交代で、常時100人ほどが勤務しています。

今回設置いただいたカモ井加工紙 矢掛工場。BCP(事業継続計画)や物流の観点を考慮して、海沿いではなく山間の矢掛地域に建てられたのだという。
──最近では文具や雑貨としてもマスキングテープが人気ですよね。倉敷本社では工場見学をやっていると伺いました。
倉敷本社では、現在文具や雑貨として柄付きのマスキングテープ「mtシリーズ」を製造していまして、工場見学会を毎年開催しています。
いわゆる、「マステファン」と言われる方向けですね。

倉敷本社で開催される「mt FACTORY TOUR」。例年3月から4月にかけて開かれる工場見学会は、国内外から「マステファン」が集まる事前抽選制のレアなイベント(写真は2019年3月撮影)
開催期間は2週間ですが、1日1,000人、延べ1.4万人以上の方にご来場いただいています。
海外でもマスキングテープの人気は高まりつつあり、中国や台湾、ヨーロッパなど、遠方からのお客様がまとめてグッズを買われていきます。
現在は新型肺炎の影響で延期中となっておりますが、毎年あるテーマをもとに展示やサービスに工夫されているようです(注:取材は2020年3月)
自家消費型太陽光発電で365日操業の工場での電気代削減に期待
──このたびは矢掛工場に太陽光発電システムを導入いただきました。導入の目的をお聞かせいただけますでしょうか
省エネ法への対応やSDGs対応による社会貢献を主な目的としています。
しかし、正直なところ、一番メリットに感じたのは電気料金の削減によるコスト削減でした。
当然、副産物としてのBCP(災害時の電源確保)や夏場の直射熱カットによる工場内環境改善にも期待しています。

カモ井加工紙 矢掛工場に設置した太陽光パネルの全景
──電気料金削減に関して、エコスタイルの営業からは年間何%ほどの削減額で提案がありましたか
見積書と一緒にいただいた削減シミュレーションでは、年間5~6%程度でした。
私たちの本来のミッションとして、製造の効率を上げたり、ロスを削減したりするものがあるのですが、
原材料価格が上昇する中、競合他社とも価格競争もあり商品の売価を上げることもできない状況が続いています。
利益率を確保するための原価圧縮案のネタも減っていたところでした。
そのため、10年以上に亘って使用可能な自家消費型太陽光発電は、金額的には大きな削減につながると感じました。
削減シミュレーションは今回の設置事例のお見積時の試算であり、削減量をお約束するものではございません。
設置する施設のご状況にあわせてお見積させていただきますので、別途お問い合わせください。
──そもそも、太陽光発電の自家消費や、エコスタイルを知ったきっかけはなんだったのでしょう?
もともとは、他社様から電話と訪問で売り込みがあって知りました。
以前から太陽光発電自体は興味はあったのですが、「もう少し効率がよくなってから」とは思っていました。
ですが、コストダウンのネタが尽きていたこともあり、太陽光発電を検討するタイミングとしてはちょうど良かったんです。
そのあと、2018年のスマート工場EXPOでエコスタイルさんを知りました。
IoTや自動化・省人化のための情報収集が目的で臨場したのですが、ブースをお見かけして比較検討のためにお話をうかがったんです。
当時は、「展示会にも出展している大きな企業さんなんだな。安心できるな」と印象を受けました。
その後、地場の関連会社さんとも比較検討させていただき、最終的には4社様にお声掛けしていました。
──売電の選択肢もあったと思いますが、全量自家消費を選択した理由はなんでしょうか
FIT(固定価格買取制度)の買取価格が下がり、電力単価の改正や再エネ賦課金の負担がある今の状況では、全量自家消費が得策だと考えました。電力会社から購入する電力が削減できるためです。
特に、この矢掛工場は24時間365日稼働なので、土日・祝日の日中に発電した電力も有効活用することができます。
だからこそ自家消費型太陽光発電のほうが、メリットを最大限得られると考えました。
また、社長から、
「固定価格買取制度による売電は、周辺地域の皆様に再エネ賦課金の費用負担を課すことになるのではないか」
と、余剰売電に反対を受けていたこともあります。
太陽光発電システムを余剰売電で導入する場合、売電収益の源泉は再エネ賦課金となる。
参考リンク:再生可能エネルギー賦課金(再エネ賦課金)とは?いつまで続く?推移予想や削減対策
社内からの太陽光発電への不安は、営業と共に払拭
──社内での検討・説明で大変だった点は他にもありますか
社長は、費用対効果のほか、地域の皆様に迷惑をかけないかどうか懸念していました。
太陽光発電設備の導入により、周辺地域の皆様に電磁波や騒音、反射光などでご迷惑をおかけするのではないか、と。
特に、先ほどの再エネ賦課金による地域への負担の転嫁の不安が大きかったようです。
──そういった社内からの疑問をどのように解決されたのでしょうか
費用対効果の面では、投資回収年数が10年ほどのシミュレーションであること、その後も発電してくれる上、CO2削減にも貢献できる点を説明して、納得いただけました。
再エネ賦課金に関しては、自家消費型太陽光発電の場合は(発電した電力をすべて自社で使用するため)関係ないことをご説明しました。
投資回収シミュレーションは今回の設置事例のお見積時の試算です。
※投資回収年数経過後も、別途維持費用が必要となる場合があります。
設置する施設のご状況にあわせてお見積させていただきますので、別途お問い合わせください。
また、反射光の問題などに関しては、エコスタイルの営業担当者さんに、社内説明用の資料を用意してもらい、助けてもらいました。
メーカーさんの資料なども揃えていただき、社内での理解を得やすい状態を作ることができました。
──そうして社内の説得をいただいて契約いただいたあと、設置までの期間はどのくらいかかりましたか。
当初お声かけさせていただいてから、施工までが1年ほどだったと思います。
(2018年9月に初訪問、施工は2019年12月末)
矢掛工場は24時間稼働のため、長期休暇しか電気工事ができません。そのため、当初から2019年の年末休暇に工事を行う計画を立てていました。
契約から施工までは2,3ヶ月程度ですかね。パネルの設置工事はとても速かった印象です。バタバタすることもなく非常にスムーズに導入できました。
太陽光発電の設置で感じたメリットと今後の設備投資について
──太陽光発電を設置してまだ数か月ですが、導入してよかったと感じる部分はありますか
事務所やパソコンで発電量が見られるようにしてもらい、毎日見るのが楽しみの一つになりました。
発電量累積をみるとしっかり働いているな。って感じます。結果が目に見えるというのは担当者として率直に嬉しいです。
社外のお客様が来られた際にも話題になり、打合せ時の一助となっております。
──話題にしていただきありがとうございます。他社様にもおすすめできるサービスでしょうか。
もちろん、他社様にもおすすめできます。
ただし、発電した電力を全量自家消費する場合、施設の稼働日によっては損する気分になるかもしれません。
発電した電力が土日・祝日に使えない場合、「一年間のうち120日以上は発電しても捨ててる」ことになるので……
その点は、十分にご納得の上で検討いただければ宜しいかと思います。

田畑や豊かな自然に囲まれるカモ井加工紙 矢掛工場。2018年の西日本豪雨の際は近隣の川の氾濫などの被害があった。売り上げ全額寄付のチャリティテープを企画・発売して復興支援を行ったという。
──今後、弊社サービスに限らず、導入を検討している設備投資があれば教えてください。
弊社矢掛工場は2018年の西日本大豪雨で被災した真備町の隣にあり、社員含め、関係者の中にも被災した方がおられます。
このような経験からBCPや帰宅困難者受入れ等を進めるべく、蓄電池や非常時の発電設備、地下水ポンプ増設などを検討しております。
まとめ:365日の操業を活かしたコスト削減策として自家消費型太陽光発電の活用
CSR・コスト削減の両面で自家消費型太陽光発電のメリットを検討し、導入いただいたカモ井加工紙様。
24時間稼働のため土日祝日も発電した電気を使用できる点、地域への負担となりうる再エネ賦課金を発生させない点など、
全量自家消費のメリットを多方面から検討し、導入いただきました。
前原様のお話の中にもありましたが、株式会社エコスタイルでは自家消費型太陽光発電のご検討に際し、
投資回収年数の試算はもちろん、使用する製品の安全性や、設置する建物の強度計算など、
多方面からご支援させていただきます。
まずは一度、お問い合わせください。
今回のインタビューのポイント
- 土日も稼働する施設の場合、全量自家消費型なら発電した電力を有効活用できる
- 自家消費型太陽光発電なら、長期的な目線でのコスト削減と、CSR効果の両立が期待できる
- 社内説明に必要な資料も、エコスタイルの営業担当者がバックアップ

長年培った粘着の技術を活用し、各種粘着テープの生産を中心に捕虫製品の製造・販売を行う。
創業以来「粘着」の技術を活かし、そのメカニズムを探求し続け自由な発想で新たな市場を創造し、社会に役立つ製品を数多く市場へ送り出しています。
「自家消費型太陽光発電」が良いのは分かったけれど、もっと詳しく知っておきたい……
・電気料金削減による企業利益の創出
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