「上乗せ措置」とは?中小企業投資促進税制活用時の注意点

「上乗せ措置」とは?中小企業投資促進税制活用時の注意点

  • 最終更新日:2019年7月19日

これから設備投資を検討しており、中小企業投資促進税制を活用したいと考えているけれど、
最新の情報がわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

その中でもよく使われていたフレーズが「上乗せ措置」。
しかし、これはすでに終了した内容ですので、
2018年以降に中小企業投資促進税制を検討する場合には注意が必要です。

ここでは、中小企業投資促進税制の活用を検討している方の注意事項として、
終了した内容ではありますが、「上乗せ措置」について説明します。

そもそも「中小企業投資促進税制」とは?

中小企業投資促進税制とは、“中小企業者等”が機械装置等の設備を取得する際、
取得価額の一定割合を特別償却、あるいは税額控除してくれる制度です。

特別償却の場合は30%、税額控除の場合には7%となっており、
後者は個人事業主あるいは資本金3,000万円以下の法人が対象です。

特別償却では通常の減価償却費に加えて損金算入することで、当期の税負担の軽減が可能となります。
支払う税金の総額が変わるわけではありませんが、
設備投資を行った年度の税負担を軽くすることができます。

一方の税額控除では、法人税から一定割合の税額を直接差し引くことができ、節税に役立ちます。

また、ここでいう中小企業者等とは、
【資本金1億円以下の法人や組合、または従業員数1,000人以下の個人事業主】を指します。
指定事業者は製造業や農業、サービス業などさまざまですが、
電気業が含まれていないことに注意が必要です。

これは、節電などの目的で自家消費型太陽光発電設備を導入する場合には対象となりますが、
投資目的(全量売電)である場合には対象外とみなされる、ということです。

今後、工場・オフィスなどの電気代節約や災害対策として
太陽光発電を取り入れたいと考えている場合には、制度の利用を検討してみてはいかがでしょうか。

対象設備は、1台160万円以上の機械装置や、70万円以上のソフトウェアなどです。
適用期間は平成31年3月31日までとなっています。

「上乗せ措置」は何を指す言葉?

上乗せ措置とは何か解説します

中小企業投資促進税制について調べていると、
過去の情報のなかで、「上乗せ措置」という言葉がよく登場します。

これは、平成26年度の税制改正により追加された内容で、特別償却の割合が30%だったものを即時償却に、
個人事業主や資本金3,000万円以下の法人の税額控除割合を7%から10%に変更するといった内容でした。

また上乗せ措置の場合、対象設備も「生産性向上に資する設備」に限定されていました。
ただし、「最新モデルであること」「旧モデルと比較したとき生産性が年平均1%以上向上するもの」など
条件が細かく定められており、該当する中小企業としてはややハードルの高い制度といえました。

つまり「特定の条件を満たした設備投資には、
当時の優遇制度からさらに、上乗せの優遇を適用する」ということ、
これが「上乗せ措置」の指すものです

ただし、適用されていた期間は、2014(平成26)年1月20日から2017(平成29)年3月31日まで。
つまり、すでに終了している内容です。2018年以降上乗せ措置については、
中小企業投資促進税制では扱われていません。

「上乗せ措置」は中小企業経営強化税制に改組された!

上乗せ措置は中小企業経営強化税制に改組されました

「中小企業経営強化税制」とは?

すでに終了している「上乗せ措置」ですが、
実は2017年度の税制改正により、中小企業経営強化税制に改組されています。

中小企業経営強化税制は、中小企業投資促進税制とよく似た名称で、
適用期間や制度の中身もほとんど同様です。
“中小企業等”のくくりも同じく、
【資本金1億円以下の法人あるいは従業員数1,000人以下の個人事業主】が対象となっています。

では、具体的にどこが違うのでしょうか。

大きな違いとして挙げられるのは、中小企業経営強化税制では事前に
「経営力向上計画」と呼ばれる計画書を作成し、申請・認定を受ける必要があること。
そして「上乗せ措置」と同様に、対象設備にいくつかの条件があることです。

また、中小企業投資促進税制は確定申告時に必要書類を添付するだけで申請できるのに対し、
中小企業経営強化税制は「認定を受けたあと」に設備投資を行う必要があります。

なぜなら、中小企業経営強化税制は中小企業等経営強化法に基づく制度で、
「経営力向上計画」で認定を受けた設備に対して適用されるからです。

対象となる設備は、「生産性向上設備」と「収益力強化設備」の2種類。
工業会や経済産業局等の確認を受ける必要がありますが、
中小企業投資促進税制で「上乗せ措置」として扱われていた際、
高いハードルであった“最新モデル”という項目は削除されたのが特徴です。

中古や貸付資産などに該当しなければ、最新モデルでない場合でも適用されます。

なお、「生産性向上設備」とは「生産性が旧モデルと比べて年平均1%以上向上する設備」、
「収益力強化設備」とは「投資収益率が年平均5%以上の投資計画に係る設備」のことを指します。

その他の部分では「上乗せ措置」とほとんど変わらず、
経営力向上計画で認定を受けたものを指定期間内に新規取得すると、
即時償却または10%の税額控除が受けられます。

即時償却のイメージ図

※ 節税となるのは即時償却した当期のみであり、耐用年数期間のトータルの税額が減少する訳ではありませんのでご注意ください。
※ 自家消費型太陽光発電は、工事や各種手続きをすべて含めると半年~1年以上もかかるケースも少なくありません。また、実際に工事が完了し、稼働していないと即時償却が申請できないケースもあります。「工事が完了して税制優遇の手続きをする頃には申込期限を過ぎてしまった…」という事がないよう十分ご注意ください。

10%の税額控除も「上乗せ措置」と同様に資本金3,000万円以下の法人、
あるいは個人事業主に限定されており、3,000万円を超える場合には7%となります。

「上乗せ措置」を利用するなら中小企業経営強化税制で!

「上乗せ措置」については、中小企業投資促進税制ではすでに終了してしまいましたが、
今後は「中小企業経営強化税制」でほとんど同様の措置を受けることが可能です。

中小企業経営強化税制の場合には、事前に計画書の作成や認定を受ける必要があるため
少し不便ではありますが、即時償却ができる点や税額控除の割合が3%大きいなどのメリットがあります。

今後、設備投資を検討する場合には、
中小企業投資促進税制や中小企業経営強化税制などが利用できるため、
新たに自家消費型太陽光発電設備を設けようと考えている方も視野に入れてみてはいかがでしょうか? 

自家消費で即時償却