「働き方改革」で長時間労働の改善が急務!残業代を削減する方法とは?

「働き方改革」で長時間労働の改善が急務!残業代を削減する方法とは?

  • 最終更新日:2019年7月10日

長時間労働による自殺問題などをきっかけに、長時間労働に対して厳しい目が向けられるようになりました。
一方で、残業代目当てであえて残業をするという人もいます。
企業経営をする上で、長時間労働を減らし、コストである残業代を減らすにはどうしたらよいのでしょうか。

働き方改革が求められる理由

働き方改革が求められる理由を解説します

働き方改革は、これまでの日本の企業文化や働くことに対する意識について
抜本的に見直し、改革しようとするものです。
なぜ働き方改革が求められているかというと、少子高齢化によって労働力人口の減少が進んでおり、
このまま放置すれば日本の経済は衰退してしまうという危機感があるからです。

では、具体的に働き方改革をするためには何をしなければならないのでしょうか。
人手不足を解消するためには、これまで働いていなかった人に働いてもらうしかありません。
たとえば、定年退職した人や専業主婦(夫)などに働いてもらうことです。
そのためには、労働環境を改善する必要があります。

日本では、長らく従業員は企業のためにすべてを犠牲にして労働することが美徳とされており、
長時間におよぶ残業や休日出勤をいとわない人が評価されてきました。
しかも、「サービス残業」が当たり前でした。

このような労働環境では、高齢者や専業主婦(夫)の人たちは誰も働きたいとは思わないはずです。
そこで、企業経営者自身が意識改革し、
長時間労働の是正に取り組むよう政府が後押ししようと考えているわけです。
また、長時間労働の改善は、人材確保以外に労働生産性を向上させるためにも必要です。

労働生産性というのは、労働者1人あたりが生み出す成果、
あるいは労働者が1時間で生み出す成果を指標化したものをいいます。
公益財団法人日本生産性本部の「労働生産性の国際比較 2016年版」によると、
OECDデータに基づく2015年の日本の時間当たり労働生産性は、42.1ドルで、
順位はOECD加盟35カ国中20位でした。この数値は米国の6割強の水準です。

また、1人当たり労働生産性は、74,315ドルで、OECD加盟35カ国中22位となっています。
なお、統計で遡れる1970年以来、日本は先進7カ国の中で最下位となっています。

日本の労働生産性が低いのは、モノやサービスを提供するのに長時間を要しているからです。
一般的な取引においては、期限内に仕事を終わらせることは当然のことであり、
期限より早く仕事を完成させることは褒められることです。

ところが、会社の内部関係だけは、定時までに仕事を終わらせるよりも、
残業をたくさんした方が評価されるというおかしな現状があったため、労働生産性が低かったと考えられます。

人口が増え続けるのであれば、労働生産性が低くても大量採用や長時間労働で対応できていましたが、
これからはそのようなことは難しくなります。
これらの問題を解決するため「働き方改革」が求められるのです。

残業代を削減する方法

残業代を削減する方法を解説します

働き方改革の有無にかかわらず、企業として生産性を高めることは当然のことですし、
残業代を減らしコストを削減するのも大事なことです。
それでは、長時間労働を減らし残業代を削減するにはどのような方法があるのでしょうか。

変形労働時間制の導入

変形労働時間制とは、一定期間を平均し、
1週間当たりの労働時間が法定の労働時間を超えない範囲内において、
特定の日又は週に法定労働時間を超えて労働させることができる制度です。

使用者は原則として1日8時間を超えて労働させることはできませんが、
36協定を結ぶことで8時間を超えて勤務することができます。
そして、8時間を超えれば残業代が発生しますが、これを変形労働時間制にすることで、
繁忙期は10時間で閑散期は6時間にするなど、合理的な時間配分にすることができます。

経営者にとっては残業代負担が減り、
従業員にとっても閑散期に自由な時間が使えるというメリットがあります。
この変形労働時間制の単位としては、「1年単位」、「1か月単位」と「1週間単位」等があります。

みなし労働時間制の導入

みなし労働時間制とは、実際の労働時間に関係なく
あらかじめ定めた労働時間働いたこととみなす制度です。
みなし労働時間が8時間の場合、6時間働いても、10時間働いても「8時間働いたとみなす」ということです。

経営者からすると10時間働いても残業代を払わなくても済むというメリットがあります。
ただし、「みなし労働時間制」を採用できるのは、
①事業場外労働の場合、②専門業務型裁量労働の場合、③企画業務型裁量労働の場合に限られていますので、
これらに該当しない場合には導入できません。

フレックスタイム制の導入

フレックスタイム制とは、労使協定に基づき、
労働者が各自の始業時刻と終業時刻を自由に決められるという制度です。
一般的に始業時間にはうるさく終業時間にはルーズなのが日本の企業の特徴なので、
始業時間を遅らせることで、結果的に労働時間が短くなることがあります。

シフト勤務制の導入

シフト勤務制とは、時間帯を分けて労働者を配置するという方法です。
長時間の稼働が必要な場合、複数の社員を交代制で勤務させることで、
残業代を削減することができます。工場などで多く利用されている制度ですが、工場以外でも導入は可能です。

ノー残業Dayの導入

ノー残業Dayとは、文字通り残業をしない日を定めるというものです。
多くの大企業で導入されており、たとえば、水曜日には定時に帰るようアナウンスするというものです。
管理職が真剣に取り組まないと形骸化しやすいので注意が必要です。

強制消灯の導入

強制消灯とは、一定の時間になったら、照明を消すというものです。
暗くなると必然的に仕事はできなくなるので効果は絶大です。
ただ、持ち帰り残業には注意が必要です。

副業の解禁

残業代目当てで残業する人が多い場合、副業を認めることで、残業をしなくなることが期待できます。
副業ができるならば、定時に退社して副業する人も出てくるからです。
弊害としては、副業がおもしろくなり、本業がおろそかになる可能性があります。

残業代の定額支給の導入

残業代の定額支給とは、あらかじめ一定時間残業することを見越して残業代を定額で支払うというものです。
たとえば、20時間分の残業代を定額支給とした場合、
残業が20時間未満であっても20時間分の残業代が支払われます。

もちろん、20時間以上残業した場合には別途残業代が支払われます。
一見すると残業代の削減にならないように思われるかもしれませんが、
残業を一切しなくても20時間分の残業代が支払われるので、
従業員としてはなるべく残業をしないよう動くようになります。

まとめ

今回は、長時間労働を減らす方法について見てきましたが、
正当な理由なく残業代を削減することは、従業員の不信を招き、
ブラック企業などとネットで批判されるなどのリスクがあります。

また、万が一、サービス残業が発生するようなことがあれば、労働基準法違反となります。
そのようなことにならないよう、長時間労働を削減する意義を明らかにし、
従業員に納得を得た上で制度を導入することが大事になります。

※記載内容は掲載当時のものであり、変更されている場合がございます。