中小企業投資促進税制の「別表」って? 作成方法や注意点など

[2019年版] 中小企業投資促進税制の「別表」って? 作成方法や注意点など

  • 最終更新日:2019年10月30日

設備投資時の節税対策として中小企業投資促進税制を活用したいと考えているけれど、
具体的にどのような手続きが必要かわからないという方に向けて、このページで解説します。

中小企業投資促進税制は、申請者が個人事業主か法人かによって手続きや必要な書類も異なります。
まずは制度の該当と手続き方法をチェックし、必要な書類などを確認してみましょう! 

中小企業投資促進税制とは?

中小企業投資促進税制とは、中小企業者等の設備投資をサポートする制度のことです。

類似する制度として、中小企業経営強化税制がありますが、
こちらは事前に計画書の作成やその認定を受ける必要があります。

それに対して中小企業投資促進税制は、
確定申告時に一定の書類を添付するといった方法で手続きができ、比較的簡単に取り入れられる税制です。

中小企業投資促進税制により受けられるのは、30%の特別償却と7%の税額控除の2種類。
特別償却とは、通常の減価償却費に“特別に”加算できる償却費用のことを指し、法人税の繰り延べが可能です。

一方の税額控除は、法人税から直接差し引くことができるもので、節税効果が期待できます。
ただし、税額控除の限度額は法人税の20%までと定められており、
20%を超えた金額については翌年度に繰り越せます。

対象となるのは「青色申告書を提出する中小事業者等」で、個人事業主も含まれます。
また、ここでいう「中小企業者等」とは、資本金1億円以下の法人や農業協同組合などのほか、
従業員数1000人以下の個人事業主を指します。

ただし、税額控除が受けられるのは資本金3,000万円以下の法人、
あるいは個人事業主のみであることには注意が必要です。

対象事業者は製造業や建設業、ガス業、小売業などで、電気事業者は含まれていません。
そのため、投資を目的とした太陽光発電設備は該当しないことに注意しましょう。

対象となる設備は、「機械装置」「測定工具・検査工具」「一定のソフトウェア」
「普通貨物自動車」「内航船舶」の5種類。
いずれも、中古品や貸し付けの用に供する場合は対象外です。

中小企業投資促進税制の手続き方法

中小企業投資促進税制の手続き方法

中小企業投資促進税制を利用する場合、適用手続きが必要です。
個人事業主と法人、それぞれ必要書類や手続きが少し異なりますので、注意してください。

※「平成29年4月1日以後終了事業年度分」を参考にしています。
平成30年度以降の申請の際には、表の形式が変更されている可能性があります。

個人事業主の場合は税額控除のみ別途書類が必要

個人事業主の場合には、特別償却と税額控除のいずれかが選択できます。
まず、特別償却を受けるときには、青色申告決算書の「減価償却の計算」の
「割増(特別)償却費」欄に、特別償却額を、
そして「摘要」欄に特例名である「措法10条の3」を記載します。

税額控除においては、「中小事業者が機械等を取得した場合の所得税額の特別控除に関する明細書」を、
確定申告書に添付するだけで構いません。

つまり、特別な書類が必要となるのは税額控除のみで、
特別償却の場合には青色申告決算書に指定事項を記載するだけで手続きが可能です。
なお、税額控除の際必要な明細書については、法人の「別表」とほとんど同様の内容です。

法人の場合、「付表」か「別表」が必要となる

法人が特別償却を行う場合には、法人税の確定申告書に
「特別償却の付表(中小企業者等又は中小連結法人が取得した機械等の特別償却の償却限度額の計算に関する付表)」と、
適用額明細書を添付する必要があります。

税額控除の手続きでは、適用額明細書のほか
「別表(中小企業者等が機械等を取得した場合の法人税額の特別控除に関する明細書)」を
添付しなければなりません。

法人は資本金3,000万円以下に限り税額控除が受けられます。
そのため、該当するか否かを事前に確認してから、手続きをおこなってください。

法人で必要になる「別表」には何を書けばよい?

「別表」には何を書けばよい?

先述したように、「別表」は法人が税額控除の適用を受ける場合に必要な書類で、
正式名称を「中小企業者等が機械等を取得した場合の法人税額の特別控除に関する明細書」といいます。
国税庁のホームページよりダウンロード可能ですので、これを使用して作成すると良いでしょう。

必要な書類は計2枚で、記載方法ついては2枚目に記載されているため、確認しながら進めることができます。

まず、一番上の欄に事業年度と法人名を記載します。
次に、「措法第42条の6第1項各号の該当号及び特定生産性向上設備等の該当区分」欄に、
該当する数字を記載します。

これは、設備投資の対象を指しており、
機械設備や工具等の場合は第1号、ソフトウェアならば第2号となります。

そのほか、【取得年月日】や【機械装置等の名称】、
【指定事業の用に供した年月日】などの欄が設けられています。

重要となるのが、【法人税額の特別控除額の計算】欄です。
ここには取得時に掛かった設備投資費用を記載し、税額控除限度額(×7%)などの計算を行っていきます。
計算式はあらかじめ表内に記載されているため、それに従って計算していけば割り出すことが可能です。

税額控除の場合、法人税の20%までという縛りがありますが、
20%を超えたときには翌年度に繰り越すことができます。
そのため、前年度繰り越し控除がある場合や、
翌年度に繰り越す場合などに記載する欄も別途設けられています。

また、別表の2枚目には【中小企業者の判定】欄があるため、こちらの記載漏れがないよう気をつけましょう。
ここには、従業員数や株式数、株式の保有割合などを記載する欄が設けられています。
こちらに記載された内容から、税額控除の対象者である「中小企業者等」かどうかが判断されます。

特別償却の場合には「付表」が必要であることに注意!

税額控除の場合には「別表」が必要となりますが、特別償却を受けるときには
「付表(中小企業者等又は中小連結法人が取得した機械等の特別償却の償却限度額の計算に関する付表)」が必要となります。

こちらも、国税庁のホームページからダウンロード可能で、
記載方法については別表と同様に2枚目に記載されています。
似たような名称で間違いやすいため、申請時には注意しましょう。

法人が中小企業投資促進税制を活用する際には「付表」「別表」が必須

中小企業投資促進税制を利用する場合、個人事業主か法人かによって手続き方法が異なります。
個人事業主の場合、比較的簡単ですが、法人の場合は「付表」か「別表」が必要となります。

いずれも似たような名称で紛らわしいうえ、
記載項目や記載方法は異なるため、税制を利用する際には注意しましょう。
計算式はあらかじめ記載されていますが、
難しい場合には税務署や税理士などに相談しながら作成してみてください。