投資家が注目!エンジェル税制(ベンチャー企業投資促進税制)とは?

投資家が注目!エンジェル税制(ベンチャー企業投資促進税制)とは?

経済を活性化するためには、既存の事業を発展させるだけでなく、
起業によって新たな事業を創出していくことが重要です。
しかし、日本は諸外国に比べて起業が少なく、それを支援する個人投資家も少ないのが実状です。

そこで、ベンチャー企業に対する投資を促進しようと税制上の優遇措置がとられています。
それが「エンジェル税制(ベンチャー企業投資促進税制)」です。今回はその内容についてみていきましょう。

エンジェル税制(ベンチャー企業投資促進税制)とは?

エンジェル税制とは、正式には「ベンチャー企業投資促進税制」のことで、
ベンチャー企業に投資を行った個人投資家に対して税制上の優遇措置が認められる制度です。

創業間もないベンチャー企業に投資する個人を「エンジェル」ということから、
「エンジェル税制」といわれています。

創業間もないベンチャー企業は資金に乏しいことが多く、
信用力もないため、資金調達は容易ではありません。
そんなベンチャー企業への投資を何とか促進しようと
個人投資家に対し税制上の優遇措置を認めているわけです。

国としても、ベンチャー企業が育てば、雇用が生まれ、
産業の発達にも寄与するため、税を優遇するだけのメリットがあります。

エンジェル税制による税の優遇を受けるためには、
基準日において「企業要件」と「個人投資家要件」をすべて満たした上で、
投資した人が確定申告をする必要があります。

その際、エンジェル税制の対象であることを証する書面として「確認書」が必要になります。
そのため、投資を受ける企業は、都道府県から確認書を受領し、投資家に交付しなければなりません。

【企業要件】

  • 特定の株主グループからの投資の合計が5/6を超えないこと
  • 大規模法人グループの所有に属さないこと
  • 未上場・未登録の株式会社で、風俗営業等に該当しないこと
  • 創業10年未満の中小企業であること
  • 企業の設立経過年数に応じた要件をみたすこと

【個人投資家要件】

  • 金銭の払込みにより、対象企業の株式を取得していること
  • 対象企業が同族会社である場合、所有割合(株式数および議決権数)の大きいものから第3位までの株主(およびその親族や関係会社等)の所有割合を順に加算し、その割合がはじめて50%超になる時における株主に属していないこと

エンジェル税制のメリット

エンジェル税制のメリットについて解説します

投資を受ける企業のメリット

投資を受けたい企業としては、事前に「確認書」を受け取ることができるので、
自分の会社がエンジェル税制の対象であることを個人投資家にアピールすることができます。
その結果、投資を受けにくいベンチャー企業でも、個人投資家からの投資が受けやすくなります。

投資する個人のメリット

投資する個人については、投資した年に所得税の優遇措置を受けることができます。
また、株式を売却して損失が発生した場合には、
所得税および住民税の優遇措置を受けることができます。

具体的な税制優遇措置の内容について見ていきましょう。

【投資した時の税制優遇】

投資時点の優遇措置には以下のAとBの2つの優遇措置があり、そのどちらかを選択することができます。

優遇措置A

所定の要件を満たす設立3年未満の企業への投資が対象です。
「対象企業への投資額 − 2,000円」をその年の総所得金額から控除することができます。
ただし、控除対象となる投資額の上限は、総所得金額×40%または1,000万円のいずれか低い方となります。

優遇措置B

所定の要件を満たす設立10年未満の企業への投資が対象です。
「対象企業への投資額全額」をその年の他の株式譲渡益から控除することができます。
こちらは、控除対象となる投資額の上限はありません。

AとBを選ぶ際のポイントとしては、株式譲渡益が多くある場合には「優遇措置B」を選択し、
そうでない場合は「優遇措置A」を選択するとよいでしょう。
ただ、投資した時点で、総所得も株式譲渡益も少ない場合には、大きなメリットは受けられません。
そこで、売却時点でも優遇措置を受けられるようになっています。

【売却時点で損失が生じた場合の優遇措置】

投資した企業が成長せず、株式売却による損失が生じた場合には、
その損失を他の株式の譲渡益と相殺することができます。
相殺しきれない場合は、翌年以降3年にわたって損失を繰り越すことができます。

この優遇措置は、投資した企業が破産等をして株式の価値がなくなり、
売却できなくなった場合にも、同様に受けることができます。
ただ、注意が必要なのは、投資した時点の税制優遇を受けている場合には、
売却時点の税制優遇を受けられないということです。

エンジェル税制の活用事例

このように、企業にも個人投資家にもメリットがある「エンジェル税制」ですが、
自治体と企業が連携して会社を設立し、地産地消を行う取り組みに利用されるケースもあります。

たとえば、地方自治体、漁協、水産加工業者、民宿、食品販売業者が連携し、
地域ブランド製品を製造する海産加工食品会社を設立する例や、
自治体、銀行、発電事業会社が連携して再生可能エネルギーの普及と自給を図る例などがあります。

エンジェル税制を利用することで、投資家が節税のメリットを受けつつ、
地域や社会に貢献する事業を行うことができるわけです。

エンジェル税制の手続き

エンジェル税制の手続きについて解説します

エンジェル税制の手続きとしては、大きく分けて
①確認書の申請、②確認書の交付、③確定申告の3つがあります。

1. 確認書の申請

ベンチャー企業に投資を行った場合には、
平成28年4月1日からは原則として本店所在地の都道府県に対して、エンジェル税制の確認申請を行います。
事前確認を行わない場合には、投資を受けた後に、基準日(払込期日または払込日)において
企業要件、個人投資家要件をみたす旨の確認申請を行います。

他方、事前に確認書の交付を求める場合には、投資を受ける前に、
企業要件をみたす旨の事前確認申請を行います。

その上で、投資があった場合には、有効期限内に基準日(払込期日または払込日)において
企業要件、個人投資家要件をみたす旨の確認申請を行います。

都道府県は、基準日において要件をすべて満たしている場合、
ベンチャー企業に対して「確認書」を交付します。

2. 確認書の交付

ベンチャー企業は、都道府県から交付された確認書およびベンチャー企業が作成した付属書類を
個人投資家に交付します。

付属書類としては、「株式異動状況明細書」と
「投資をした個人が一定の株主に該当しないことを確認した書類」があります。

3. 確定申告

個人投資家は、確認書等の必要書類を添付して確定申告を行うことで、
エンジェル税制の優遇措置を受けることができます。

確定申告に添付する書類については、①確認書、②個人が一定の株主に該当しないことを確認した書類、
③投資契約書の写し、④株式異動状況明細書については必ず必要で、
さらに、受けたい優遇措置の内容によって添付する書類が異なります。

エンジェル税制(ベンチャー企業投資促進税制) まとめ

以上のように、エンジェル税制の優遇を受けるためには、
各種申請書類の作成が必要になるので少し大変ですが、大きな節税効果が得られるので、
要件を満たせるのであれば、是非活用したいものです。

エンジェル税制の活用事例でも紹介したように太陽光発電事業でも要件を満たせば利用できますので、
一度検討してみてはいかがでしょうか。

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