法人税の節税方法13選!設備投資で即時償却等を活用する方法も

法人税の節税方法12選!設備投資で即時償却等を活用する方法も

  • 最終更新日:2019年8月27日

企業における法人税の節税方法を、きちんと理解していますか?

この記事では、役員報酬、決算賞与、短期前払費用など、12の節税方法をご紹介します。
中でも効果が期待できる「設備投資」については、節税のポイントも解説します。

そもそも企業にとっての節税とは?

法人税とは、法人の所得(利益)に対して課される税金です。
資本金1億円以下の中小企業に課される法人税は、企業の年間所得に応じて、以下のように税率が変わります。

年間所得800万円以下 年間所得800万円超
税率15% 税率23.4%

※開始事業年度が平成30年4月1日以後の場合、年間所得800万円超は23.2%

経費を増やすことで節税ができる

法人税を節税するための方法は、単純に言ってしまうと「法人の所得(利益)を減らす」ことです。
(法人税として支払う額は、当期利益によって決定するため)

法人の所得(利益)を減らす方法には、「企業の売上を下げる」もしくは「経費を増やす」の2つがあります。
企業の節税では、基本的に後者の「経費を増やす」という方法が採用されます。

では、経費を増やすためには具体的にどのような方法があるのか、次の項目でご説明していきます。

効果が高い法人税の節税方法12選

効果が高い法人税の節税方法12選

ここでは、法人税の節税に効果が高い12の方法をご紹介していきます。
ただし「純粋な減税」となるのか「一時的な節税(繰り延べ)」になるかは、
方法により異なりますのでご注意ください。

法人税の具体的な計算について、詳しくは税理士にご相談ください。

1. 役員報酬を支払う

中小企業の経営者の場合、役員報酬は最も実行しやすい節税方法と言えます。
経営者(自分)に対して役員報酬を支払うと企業の利益は減るため、法人税は低くなります。

ここで注意しなくてはいけないのが、経営者個人に報酬を支払った場合には、
個人に対して所得税が課税されるという点です。

所得税と法人税の税率の違いは以下の通りです。

所得税 法人税
所得に応じて5~45%の範囲で推移 年間所得800万円以下は15%
年間所得800万円超は23.4%
※開始事業年度が平成30年4月1日以後の場合、年間所得800万円超は23.2%
※資本金1億円以下の中小企業の場合

どちらも所得に応じて税率が変化するため、場合によっては
「役員報酬で個人所得にした結果、個人として支払う税金が増えてしまった」ということにもなりかねません。

役員報酬による節税を行う場合は、報酬を支払った場合の所得税と法人税の税率を比較して、
本当に節税効果があるのかを事前に見極めることが重要です。
(役員報酬は決定の時期や手続きに限りがありますのでご注意ください)

2. 決算賞与を支払う

決算賞与は、決算期末に従業員の1年間の貢献をねぎらう目的で支払う臨時賞与のことです。
決算賞与を支給して節税に活かすためには、以下の3つの条件があります。

  • 事業年度終了までに従業員全員に対し、賞与額を伝達すること
  • 決算後1ヶ月以内に賞与を支給すること
  • 賞与額を決算において未払金として計上しておくこと

決算賞与は社員のモチベーションアップにも繋がりますので、
利益が潤沢に出ている場合は積極的に検討してみましょう。

3. 短期前払費用を活用する

保険金や家賃、リース(レンタル)料など、毎月支払いが発生する費用において、
向こう1年間分の料金を前払いしていくことを「短期前払費用」と呼びます。
短期前払費用で支払った金額は、来年分も含めて全額を経費にすることが可能です。

ただし、一度短期前払費用として支払うと、そのサービスの支払いに関しては
翌年以降も同じように1年間の前払いが求められます。

そのため、「利益が多かったから前払いにしよう」という考えで利用すると、
翌年以降の費用が払えなくなる危険があります。
短期前払費用を使って節税を行う場合は、必ず計画的に行いましょう。

4. 未払い費用を活用する

未払い費用は、決算期内に発生した費用であるものの、
実際の支払いは翌期になるようなケースにおいて発生します。
そして、未払い費用は当期決済の経費として計上することができます。

具体的には給与や保険料、リース(レンタル)料などが挙げられます。
未払い費用を活用した節税は比較的簡単に行うことができるので、
積極的に活用していくことをおすすめします。

5. 在庫資産の評価を見直す

在庫として保有している商品は、状態の劣化や市場のニーズなどにより売れにくくなるケースがあります。
こういった在庫が多数ある場合は、在庫資産の評価を引き下げることにより、
下がった額を「評価損」として計上することができます。

ただし、在庫資産の評価を引き下げるためには、客観的な根拠が必要となるので、
簡単に取り組める方法とは言い難いでしょう。

6. 不要な固定資産に対し有姿除却を行う

一時的に導入したが、現在は使用していない固定資産(機械設備など)がある場合、
「有姿除却(ゆうしじょきゃく)」を利用した節税が効果的です。

有姿除却とは、「もう使用はしないが、廃棄や除却もコスト的に見合わない固定資産」に対して、
固定資産を実際には廃棄・除却せずとも除却損を計上できるというものです。

有姿除却を行う際は、「有姿除却を行った固定資産を使用しない」という条件があります。

7. 小規模企業共済へ加入する

「小規模企業共済」とは、中小企業の経営者や個人事業主のための積立型退職金制度で、
廃業や退職に陥った場合の生活安定などを目的として設立されました。

「小規模企業共済」は、掛け金を払い込んだ分だけ節税になりますが、
支払うのはあくまでも経営者個人なので、
そのままでは所得税の節税にはなっても法人税の節税にはなりません。

法人税で節税効果を出すためには、経営者個人が「小規模企業共済」に支払うための元となる資金を、
「役員報酬」という形で支給するのがおすすめです。

8. 中小企業倒産防止共済へ加入する

「中小企業倒産防止共済」とは、中小企業の取引先である企業が倒産した際、
連鎖的な倒産を防ぐために、必要となる事業資金の借り入れが速やかに行える制度です。

中小企業倒産防止共済の掛け金は、月額5,000円~200,000円の間で選ぶことができ、
その全額を経費として計上することができます。
中小企業倒産防止共済は法人税の節税になるだけでなく、企業の命綱ともなりうる有用な制度です。

9. 社員旅行を実施する

社員旅行も、条件さえ満たせば福利厚生費として経費計上することができるため、法人税の節税に有効です。
社員旅行を経費にするための条件には、

  • 4泊5日以内の旅行であること
  • 全社員の半数(50%)以上が参加していること
  • 過度に贅沢な旅行ではないこと(目安は一人あたり10万円以下)

が挙げられます。

社員旅行を実施することで社員のモチベーションも上げることができるため、一石二鳥と言えます。

10. 生命保険に加入する

経営者を被保険者とした生命保険に企業単位で加入する場合、
経費として計上できるタイプの保険も存在します。

ただし、節税目的のためだけに生命保険に加入するのではなく、
本当に生命保険が必要なのかどうかを検討する必要があります。

注)「節税保険」と呼ばれる法人向け保険について、2019年4月より制度の見直しが行われております。詳しくは税理士等にご確認ください。

11. 出張日当を支給する

出張日当は、経営者または社員が企業の業務で出張する場合に、
交通費や宿泊費には含まれない雑多な費用に対して支給される手当てのことを指します。

出張日当は、不必要に高額でないかぎりは経費として認められますので、
出張が多い会社では積極的に活用することで法人税の節税につなげることができます。
ただし、出張旅費規定を事前に定めておく必要があります。

12. 設備投資を行う

法人税の節税で特におすすめなのが「設備投資」です。
たとえば、自家消費型太陽光発電や高額な機械などを導入すれば、大きな節税効果が期待できます。

さらに、設備投資をただ経費として計上するのではなく、より節税に役立てる方法もあります。
次の項目では設備投資で節税を行う上でのポイントを解説します。

設備投資で節税するポイント

設備投資で節税するポイント

設備投資でより効果的に節税するためのポイントは、以下の3つです。

設備投資をできるだけ細かく分ける

設備投資を行う際は、できるだけ細分化して経費に計上したほうが、
一括で経費計上した場合に比べて耐用年数が少なくなります。(※場合によります)

その理由は、設備投資を一括で経費計上する場合は、
法定耐用年数に則りシステム全体の耐用年数が採用されますが、
個別に分けることで個別の耐用年数が採用されるためです。

耐用年数が短くなれば、経費として計上できる額が増えるため、
結果的に節税できた分の資金を、再び別の投資に回すことが可能となります。

損金処理に定額法ではなく定率法を用いる

設備投資の投資額を損金処理する際には、「定額法」と「定率法」という2つの方法を選択できます。
最終的な損金額に差はありませんが、定額法ではなく定率法を選択したほうが
初期段階の損金額が多くなり、節税につながります。

優遇措置の即時償却や特別償却を活用する

「中小企業経営強化税制」「中小企業投資促進税制」を利用することで、
設備投資の費用を「即時償却」または「特別償却」することができます。

具体的には、自家消費型太陽光発電などの機械装置に設備投資した場合に、

  • 投資額の100%即時償却
  • 投資額の30%特別償却

などの税制優遇を受けることが可能となります。

いずれも「中小企業者等」に該当することが条件となりますが、
設備投資をした当期に、投資額の100%または30%を経費として計上することで、
法人税を大幅に節約することが可能です。

即時償却のイメージ図

※ 節税となるのは即時償却した当期のみであり、耐用年数期間のトータルの税額が減少する訳ではありませんのでご注意ください。
※ 自家消費型太陽光発電は、工事や各種手続きをすべて含めると半年~1年以上もかかるケースも少なくありません。また、実際に工事が完了し、稼働していないと即時償却が申請できないケースもあります。「工事が完了して税制優遇の手続きをする頃には申込期限を過ぎてしまった…」という事がないよう十分ご注意ください。

「中小企業経営強化税制」や「中小企業投資促進税制」について詳しくは、以下の記事をご覧ください。

中小企業経営強化税制

[2019年版] 100%即時償却も!太陽光発電でも中小企業経営強化税制で節税を

中小企業投資促進税制

[2019年版] 2年延長!中小企業投資促進税制は2020年度末まで利用できる

まとめ

法人税の節税方法12選まとめ

企業にとって法人税は必ず支払う必要があります。
しかし、同じ売上がある企業でも、節税方法を知っているかどうかで
法人税の額に大きな違いが出る場合もあります。

法人税の節税に有効な手段を知り、適切な節税を行うことは、
企業にとって大きなプラスになっていくことでしょう。

企業により適用の可否が異なり、また条件等が定められている場合がありますので、実際の適用にあたっては税理士等にご確認・ご相談ください。

自家消費で即時償却