ISO14001?自家消費型太陽光発電?中小企業でもできる環境経営

  • 最終更新日:2019年12月7日

環境経営についてご存知でしょうか?知っているという経営者の方でも、具体的に環境経営を始める方法まではご存知ない方も多いかもしれません。この記事では、環境経営の概要や必要性、実際に環境経営を始める方法についてご紹介します。

環境経営とは?

環境経営イメージ

環境経営とは、「企業活動における環境への悪影響を少なくする経営」を意味する言葉です。
具体的には、製造工程におけるCO2の排出量を減らしたり、使用する電力を自社で設置した太陽光発電でまかなったりする活動が挙げられます。環境経営を実現するために、「ISO14001(環境マネジメントシステム)」の取得や「エコアクション21」、「CSR活動」などへの参加、自家消費型太陽光発電の設置などに取り組む企業があります。

環境経営はSDGsとも近い位置にある

環境経営を行っていくうえで重要なポイントは、最近話題となっているSDGsの考え方と非常に近いところにあるという点です。SDGsは、2015年に国連サミットで採択された、「持続可能な社会」の実現を目指して17の大きな社会問題(貧困や環境問題など)に対する国際目標です。SDGsが目指している「持続可能な社会」は、環境経営を行ううえで大きな指針となるのは間違いないでしょう。

なぜ今、環境経営が求められるのか?

2019年の今、環境経営が求められるのは、ひとえに世界中が抱えている地球環境問題への取り組みが必要だからです。これまで長い間、先進国を中心に産業の発展を優先させてきた結果、地球温暖化・ビニールごみ処理問題・食料の廃棄問題などの環境問題が深刻化してきています。

こうしたなか、2015年にパリで開催された国連気候変動枠組条約締約国会議で、パリ協定として温室効果ガス削減に合意が取られ、翌年に発効されたことを契機に、世界各国が地球温暖化防止のために重い腰を上げ始めました。このような動きのなかで、企業に対しても環境への影響を考えた「環境経営」が求められるようになってきたのです。

環境経営に取り組むメリット

地球環境を大切にしなければならないとわかっても、これまで出ていた利益を減らしてまで環境経営に取り組み始める企業は、多くはないかもしれません。そこで、まずは地球のことを考えて取り組むよりも、環境経営によって短期的ないしは中長期的に得られるメリットを把握すれば取り組みやすいでしょう。

環境経営を行うことで、企業側にも以下のようなメリットが期待できます。

  • 企業のイメージアップにつながる
  • 環境経営を取引企業の条件に加えている大企業と取引ができる(継続できる)
  • 自家消費型太陽光発電を設置すれば電気代も節約可能
  • 無駄に発生していた燃料費や産業廃棄物を削減できる
  • 社会的に良いことに取り組むため、社員の帰属意識が高まる

ISO14001(環境マネジメントシステム)の取得に関する基礎知識

ISO14001イメージ

ここでは、環境経営を行ううえで助けとなる「ISO14001(環境マネジメントシステム)」の概要や取得方法、効果やメリットについてご紹介していきます。

ISO14001(環境マネジメントシステム)とは?

ISO14001とは、スイスのジュネーブに本部がある国際標準化機構(International Organization for Standardization)によって定められた、国際的な環境マネジメントシステムの規格です。そもそもISOは、ネジのような小さな部品から各分野のマネジメントシステムまで、さまざまな国際規格を定めている組織です。環境経営を行ううえで、この「ISO14001」を取得することは、会社の内外に向けて大きな意味を持ちます。

ISO14001(環境マネジメントシステム)の取得方法

ISO14001(環境マネジメントシステム)を取得するためには、数ヶ月~約1年の期間が必要になります。その理由は、取得のために満たすべき条件が多く存在しているためです。
ISO14001(環境マネジメントシステム)は、以下の手順で取得することができます。

①ISO14001の適用範囲を決定
企業・組織として、ISO14001を適用する範囲を決めます。
②環境方針の決定・作成
企業・組織として、なぜISO14001(環境マネジメントシステム)に取り組むのかを考え、まとめたものを環境方針として作成します。
③環境影響の評価
企業の業務活動において、環境に対しどのような影響を及ぼしているのかを洗い出し、評価をします。
④環境対策の構築とマニュアル作成
③の評価によって明らかになった影響に対する対策と、その対策を実施するためのマニュアルを作成します。
⑤ISO14001の導入・運用開始
環境マネジメントシステム(ISO14001)を導入し、運用を開始します。なお、ISO14001を適切に導入、運用するにあたって、用意されている50以上のルールをどのように業務に組み込むかを全社員に説明し、教育することが大切です。
⑥運用状況に対する内部監査の実施
導入したISO14001が適切に運用されているかどうかを、内部監査で明らかにします。もし運用に問題がある場合は、問題点を洗い出します。
⑦運用状況の改善(マネジメントレビュー)
⑥で浮かび上がった問題点の改善案を考え、実施していきます。
⑧ISO14001審査(1回目)
ISO14001の1回目の審査です。この審査は文書によって行われ、①~④で作成した書類が審査対象となります。
⑨ISO14001審査(2回目)
1回目の審査をパスすれば、審査から約1ヶ月~6ヶ月後に、2回目の審査が行われます。2回目の審査では、主に⑤~⑦の部分に該当するISO14001が正しく運用されているかどうかをチェックされます。内部監査やマネジメントレビューが行われている必要があります。
⑩ISO14001の取得
2回目の審査にパスすると、晴れてISO14001を取得することができます。ただし、有効期限は3年間で、1年毎に定期審査があります。
⑪定期審査(1回目/2回目)
ISO14001の取得から1年後と2年後に1度ずつ定期審査があります。環境マネジメントシステムが規格要求事項に適する形で継続して運用されているかチェックされます。
⑫更新審査
2回目の定期審査から1年後に、更新審査があります。更新審査をパスすると、また3年間の有効期限でISO14001が取得できます。

ISO14001(環境マネジメントシステム)の効果・メリット

ISO14001(環境マネジメントシステム)を取得すると、以下のような効果やメリットが期待できます。

  • 効果的な環境経営が実現できる
  • 「認証機関」という第三者からの証明による社会的信用の獲得
  • PDCAサイクルが社内に根付き、問題点の発見・改善の精度が上がる
  • 定期的に外部からの審査が入るため、継続的な改善につながる

エコアクション21やCSR活動への参加

エコアクションイメージ

環境経営を行うための方法として、ISO14001以外にもエコアクション21やCSR活動への参加という選択肢もあります。

エコアクション21とは?

エコアクション21も、ISO14001と同じく環境マネジメントシステム(EMS)です。エコアクション21は日本独自の環境マネジメントシステムで、2004年に環境省によって策定されました。
エコアクション21は、ISO14001を参考にして日本の中小企業向けに作られたため、「環境経営をはじめたいけれど、ISO14001はちょっとハードルが高い・・・」と思っている中小企業の方などにオススメです。エコアクション21の取得方法などについて、詳しくは以下の記事をご覧ください。

エコアクション21とは?認証取得の費用やメリット

CSR活動とは?

CSR活動とは、企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility)の頭文字をとった言葉で、環境に配慮した活動や、人権を尊重した経営を行うことを指します。
海外では、企業の投資基準に利益だけでなく、環境や社会といった点も重視する「ESG投資」が広がりを見せています。環境経営を行い企業の社会的な価値を高めるためにも、CSR活動はぜひチェックしておきましょう。CSR活動について詳しくは、以下の記事をご覧ください。

利益を生まない「CSR活動」の重大な意味と、自家消費型太陽光発電

工場などの法人施設の屋上に自家消費型太陽光発電を設置

自家消費型太陽光発電

自社工場や施設の屋上に自家消費型太陽光発電を設置することも、環境経営のひとつの取組になります。また、先ほどご紹介した環境マネジメントシステム(EMS)と組み合わせて活用することもできます。

太陽光発電はCO2の排出が少ないクリーンな再生可能エネルギー

太陽光発電システムは、化石燃料を消費することなく、太陽光エネルギーのみで発電することが可能です。火力発電と比較して少ないCO2の排出で電気を作る事ができるので、環境にやさしいクリーンなエネルギーとして注目を集めています。

「自家消費型」だから環境経営に貢献できる

太陽光発電によって生み出した電気を電力会社に売却する「売電」をメインにしている場合、環境経営にはなりません。作った電気を自社で消費する「自家消費」だからこそ、環境経営にも貢献することができます。

初期投資ゼロ(契約締結諸費用は別途必要)「PPAモデル」

自家消費型太陽光発電は、設置するために初期費用が必要です。初期費用は設置するシステム容量やパネルの種類などによっても異なりますが、容量50kWで約1,000万円程度はかかってしまいます。

しかし、最近は初期投資費用ゼロ(契約締結諸費用は別途必要)「PPAモデル」という自家消費型太陽光発電も登場しています。「初期費用が厳しいけど、環境経営はしたい」と思っている企業様にオススメです。

※ここでの「初期投資」とは、本システム導入に関する施工関連費用(工事代金、機器代金、設計技術費用等)を指します。
※契約金額に応じた印紙や切手など契約締結にかかる諸費用は別途かかります。
※契約期間満了後の設備の取り扱いに関しては契約の内容により異なり、保有する場合には追加の費用が発生する場合もあります。
※PPAは個別に審査があり、契約期間や電気利用料は契約で取り決めます。

自家消費型太陽光発電や、初期投資ゼロの「PPAモデル」について詳しくは、以下の記事をご覧ください。

初期投資ゼロ(契約締結諸費用は別途必要)の自家消費型太陽光発電・PPAモデル

まとめ

環境経営は「企業活動における環境への悪影響を少なくする経営」であることを解説してきました。環境経営を行う具体的な方法として、以下の方法があることが分かったと思います。

  • ISO14001(環境マネジメントシステム)の取得
  • エコアクション21(日本版の環境マネジメントシステム)の取得
  • CSR活動への参加
  • 自家消費型太陽光発電の設置

また、上記以外にも、「SDGs(持続可能な開発目標)」や「RE100(環境イニシアチブ)」、「SBT(環境目標)」など、環境経営に参加するための入り口は多く存在しています。
今後も企業としての信頼を高め、成長していくためにも、中小企業にとっても環境経営は避けては通れない道になりつつあるのではないでしょうか。

参考サイト:
環境と経営|環境省
ISO14001|環境省
エコアクション21|環境省
社会的責任(持続可能な環境と経済)に関する研究会報告書について|環境省

※記載内容は掲載当時のものであり、変更されている場合がございます。

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