太陽光発電の耐用年数は何年?パネルの劣化や予防方法について

太陽光発電の耐用年数は何年?パネルの劣化や予防方法について

  • 最終更新日:2019年8月27日

太陽光発電システムの「耐用年数」についてご存知ですか?

この記事では、太陽光発電の正しい耐用年数や、
耐用年数が近づくことによって起こる太陽光パネルの劣化や、その予防方法などをご紹介していきます。

太陽光発電システムの耐用年数はどのくらい?

太陽光発電システムの耐用年数は「17年」という数字を目にしたことはないでしょうか。
この耐用年数「17年」という数字は、実際の太陽光発電システムの耐用年数を表したわけではなく、
「法定耐用年数」で定められた数字に過ぎません。

「法定耐用年数」はあくまでも目安

そもそも「法定耐用年数」とは何なのでしょうか?
「法定耐用年数」は、簡単に言ってしまうと、
太陽光発電システムなどの減価償却資産の使用可能な期間を、法律(税法)で定めた年数」になります。

機械や設備などの減価償却資産の耐用年数は、個々に算出するのが困難なため、
あらかじめ決められている「法定耐用年数」に則って減価償却を行います。

そのため、「法定耐用年数」で定められた「17年」という数字は、
必ずしも実際の太陽光発電システムの耐用年数を表してはいないのです。

実際の太陽光発電の耐用年数

実際の太陽光発電の耐用年数は、まだ十分なデータが集まっていないため、
正確な数字を出すことが出来ません。
なぜなら、太陽光発電システムの歴史はまだ浅く、
産業用太陽光発電の「固定価格買い取り制度」が始まった2012年から数えると
まだ10年も経っていないからです。

そのため、十分な統計はまだ取れていませんが、
「太陽光発電の耐用年数は20~30年」というのが現時点での一応の目安です

ただ、現時点でも、一部には30年以上も稼働し続けている太陽光発電システムも存在しますので、
技術力が向上している現在の太陽光パネルであれば、さらに長期間の稼働が見込める可能性はあります。

耐用年数が近づくことによる問題点

「20~30年」が太陽光発電の一応の目安と書きましたが、
あくまでも目安であり、設置状況や環境によってはもっと早く、
稼働に影響が現れる状態になってしまう太陽光発電システムも存在します。

ここでは、耐用年数が近づいた太陽光発電システムに発生する問題点を紹介していきます。

太陽光パネルの劣化による性能低下

耐用年数が近づいた太陽光発電システムでは、太陽光発電設備に劣化が発生します。
具体的には、太陽光パネルの「ガラス表面」や「配線」部分に、以下のような劣化が発生しやすくなります。

  • 配線の腐食
  • 配線の断線
  • 太陽光パネルの層間はく離
  • 太陽光パネル表面の変色・汚れ・変形など

こうした太陽光発電設備の劣化により、太陽光発電システムの発電量が低下してしまう場合もあります。

耐用年数が近づくと発電量も低下する?

耐用年数が近づき、劣化が進行していく太陽光発電システムでは、
発電量はどの程度低下してしまうのでしょうか?

水産庁が2014年3月に発表したデータ(漁港のエコ化方針(再生可能エネルギー導入編) 巻末資料)などを
参考にすると、耐用年数が近い太陽光パネルの劣化によって、
年間「0.25~0.5%」の発電量が低下してしまうと考えられています。

しかし、太陽光パネルの劣化は、メンテナンスによってある程度は予防することができ、
定期的なメンテナンスで、発電量の低下を最小限に抑えることができます。

メーカーの「モジュール出力保証」はあてにならない?

太陽光発電システムを設置する際の保証に、メーカーの「モジュール出力保証」があります。
「モジュール出力保証」は、太陽光パネルの出力性能を一定期間保証するもので、
もしも出力性能が規定値よりも下回った場合は、
メーカーが無償で太陽光パネルの修理・交換に応じる
という内容です。

この「モジュール出力保証」ですが、仮に「出力保証:90%」の場合、
「公称最大出力の90%」を基準とした90%の数値になるので、
実際は「公称最大出力の81%」を下回ったパネルのみ保証対象となります。

実際の劣化率から考えてみると、年間で0.5%ずつ発電量が低下したとしても、10年間で5%です。
20年経過したとしても10%減ですから「公称最大出力の81%」には及ばないため、
メーカーの「モジュール出力保証」を利用する機会はほとんどないと考えて支障ないかと思います。

太陽光パネルの劣化を予防する方法

耐用年数が近づくことで起こる「配線の腐食・断線」や「太陽光パネルの層間はく離」、
「パネル表面の変色・汚れ・変形」などの劣化は、
適切なメンテナンスを行うことである程度は予防することができます。

劣化しにくい素材の太陽光パネルを選ぶ

太陽光パネルの素材には、「多結晶シリコン型」、「単結晶シリコン型」、
「CIS」、「HIT(ヘテロ接合型)」などが存在します。
この中で、もっとも経年劣化しにくいと言われているのが「CIS太陽電池」です。

「CIS太陽電池」は3つの元素「銅(Cu)」、「インジウム(I)」、「セレン(Se)」を
組み合わせて生成する化合物半導体を利用して発電する太陽電池です。
ちなみに「CIS」は3つの元素の頭文字をとった呼び名です。

反対に、もっとも劣化しやすいのが「単結晶シリコン型」だと言われています。
以下は、太陽光パネルの素材を経年劣化しにくい順番に並べたものです。

  • CIS
  • HIT(ヘテロ接合型)
  • 多結晶シリコン型
  • 単結晶シリコン型

ただし、上記の情報は「産業技術総合研究所」によって
2005年~2009年の5年間に計測されたデータをもとにしていますので、
6年目以降の劣化率は必ずしも上記のとおりとは限りません。
しかし「太陽光パネルの劣化」を考えるのであれば、参考にできるデータと言っていいでしょう。

適度なメンテナンスで耐用年数をアップ

太陽光パネルの経年劣化を防ぐために劣化しにくい素材を選ぶことも良いですが、
耐用年数をアップさせるためには適度なメンテナンスを行うことが重要です。

具体的なメンテナンス方法ですが、自分で点検する方法などもありますが、
やはり定期的に業者によるメンテナンスがおすすめです。

定期点検を行う頻度ですが、2017年4月に施行された改正FIT法では、
4年ごとの定期メンテナンスを推奨していますので、これを目安にしてもいいかもしれません。

なお、定期メンテナンスは太陽光発電の設置業者により、有償/無償が異なります。
太陽光発電を設置する際には、メンテナンスについてもしっかりと確認して契約を結ぶようにしましょう。

まとめ

太陽光発電システムの耐用年数は、「法定耐用年数」では17年と定められていますが、
「法定耐用年数」はあくまでも税法で決められているに過ぎないため、実際の耐用年数とは異なります。

実際の太陽光発電の耐用年数は「20~30年」程度が目安とされています。
また、中には30年以上稼働している事例もありますが、
まだまだデータ自体が少ないため、正確な耐用年数は分かっていないのが実情です。

そして、耐用年数が近づいた太陽光発電は、太陽光パネルによる経年劣化により
発電量の低下が発生してしまう点には留意しないといけません。

こうした経年劣化による発電量の低下を防ぐためには、
経年劣化しにくい「CIS」素材の太陽電池モジュールを設置することが重要ですが
多結晶や単結晶パネルに比べて高額になることがほとんどですので、予算との折り合いが必要です。

また、4年ごとの定期的なメンテナンスを行うことも、
太陽光発電システムの耐用年数をアップさせるためには欠かせません。

太陽光発電設備とは、長い付き合いになります。
「太陽でんき®」導入の際には、こうした特性なども踏まえて設置しますので
お見積りの際などに気軽にお尋ねください!

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