再生可能エネルギーとは?今後の課題やメリット・デメリット

  • 最終更新日:2019年11月8日

再生可能エネルギーは、太陽光発電だけだと思っていませんか?
実は、太陽光発電以外にも、再生可能エネルギーには様々な種類が存在します。

この記事では、そんな再生可能エネルギーの種類をご紹介するとともに、
再生可能エネルギーのメリットやデメリット(問題点)、
再生可能エネルギーの普及を支えている「固定価格買取制度(FIT)」などについてご紹介していきます。

再生可能エネルギーとは?

再生可能エネルギーとは?

再生可能エネルギーとは、いずれ枯渇してしまう石油や石炭といった「化石燃料」とは異なり、
地球上のどこにでも存在していて、CO2を増加させず国内で生産可能なエネルギーのことを指します。

代表的な例で言うと、太陽光や風力、水力といった再生可能エネルギーがあります。
再生可能エネルギーの種類について詳しくは、以下の項目でご紹介します。

再生可能エネルギーの種類

再生可能エネルギーには、主に以下のような種類があります。

太陽光発電

太陽光発電とは、太陽の光エネルギーを電気に変換する再生可能エネルギーです。
太陽から降り注ぐ光を太陽光パネル(半導体素子)に当てることで、電気が発生する仕組みを利用しています。

変換効率は素材や用途(住宅用・産業用)で異なり、以下が現在の変換効率の目安となっています。

住宅用(シリコン単結晶パネル) 約16~21%
住宅用(シリコン多結晶パネル) 約15~16%
産業用(シリコン単結晶パネル) 約16~20%
産業用(シリコン多結晶パネル) 約15.5~16.5%
住宅用・産業用(CIS系太陽電池) 約14~15%

日本では後ほど紹介する固定価格買取制度(FIT)の影響などにより、
一般家庭なども含めて最も普及している再生可能エネルギーと言えます。

風力発電

風力発電は、風の力で風車を回し、その回転エネルギーによって発電機を動かして電気をつくる仕組みです。
電力へのエネルギー変換効率は約30%~40%で、再生可能エネルギーでは水力発電に次ぐ高さです。

風力発電には陸上風力(陸地に設置する風力発電)と洋上風力(海の上に設置する風力発電)の2種類があり、
風車の種類にもプロペラ型やジャイロミル型、サボニウス型などが存在します。

水力発電

水力発電は、水を高いところから落下させることで生まれる
位置エネルギーを利用して、水車を回転させて電気をつくる仕組みです。
電力へのエネルギー変換効率は再生可能エネルギーの中では最も高い約80%となっています。

「ダム式」、「水路式」、「ダム水路式」の3種類に分けることができ、
日本では黒部ダムや豊稔池ダムなどが有名です。
また、小さい川でも発電を行える「マイクロ水力発電」も、一部で導入が進んでいます。

地熱発電

地熱発電は、「地熱貯留層」と呼ばれる地下1,000~3,000mの場所から汲み上げた蒸気や熱水によって
タービンを回して発電します。「地熱貯留層」とは、地上で降った雨が
深さ数千mのマグマ溜まりに到達して蒸発し、熱水として溜まっている場所のことを言います。

なお、地熱発電には、鋼管杭を使って貯留層から熱水(200度以上)を直接くみ上げて利用する
「フラッシュ方式」と、すでに掘削済みの温泉熱や温泉井戸の蒸気を利用する
「バイナリ方式」の2種類があります。

「バイナリ方式」のほうが新たに掘削する必要がなく環境にも優しいため、
今後の普及が期待されています。

バイオマス発電

バイオマス発電は、家畜や動物の糞尿や食品廃棄物、廃材などの生物資源(バイオマス)を
直接燃焼またはガス化することでタービンを回し発電する手法です。

バイオマス発電は廃棄物の再利用にも繋がることから、
SDGsなどが目指す「循環型社会」にも貢献できる再生可能エネルギーとして注目を集めています。

太陽熱利用

太陽熱利用は、太陽光の熱エネルギーを太陽集熱器や屋根集熱面、
太陽熱温水器などを利用して集め、お湯を沸かしたり暖房に利用したりします。

太陽光発電と似ていますが、太陽熱利用の場合、発電は行えません。
また、構造が単純なため、比較的昔から利用されている再生可能エネルギーです。

雪氷熱利用

雪氷熱利用は、雪や氷を保管しておき、その冷熱を利用する再生可能エネルギーです。
主な利用方法としては、倉庫に雪や氷などを保管して野菜や食物などを保存する氷室(雪室)や、
雪や氷の冷熱を循環させて冷蔵庫や冷房代わりに使用する「雪冷房」や「雪冷蔵」、
「アイスシェルター」などがあります。

再生可能エネルギーを活用するメリットは?

再生可能エネルギーを活用するメリットは?

再生可能エネルギーの種類が分かったところで、
ここでは再エネを活用するメリットについてご紹介していきます。

CO2等の温室効果ガスを排出しない

まず、再生可能エネルギーは地球温暖化の原因と言われている温室効果ガスを排出しません。
そのため、世界中で再生可能エネルギーを導入する動きが広まっています。

今、世界の国々ではパリ協定に基づいて、二酸化炭素など温室効果ガスの削減目標を定め、
その削減目標に向けた削減努力を行っています。

日本も、2030年度の温室効果ガス排出量を、「2013年度比で26%削減」という目標を定めています。
温室効果ガスを排出しない再生可能エネルギーの普及は、
この温室効果ガス削減目標を達成するためには必要不可欠と言えます。

エネルギー自給率の向上に期待できる

太陽光発電や風力発電など、地球上のあらゆる場所でエネルギーをつくりだすことができる
再生可能エネルギーは、資源に乏しい日本のエネルギー自給率を向上させる切り札になるかもしれません。

資源エネルギー庁のWEBサイトで公表されているデータによると、
日本のエネルギー自給率は2016年時点で8.4%と、
1973年の第一次石油ショックの頃(9.2%)よりも低くなっています。
その理由は、国内で使用するエネルギー源の8割以上を海外に依存しているためです。

2017年時点で、日本における再生可能エネルギーの比率は約16%となっています。
それに比べて海外の電源構成における再エネ比率を見てみると、
カナダ65.7%、イタリア35.6%、ドイツ33.6%、スペイン32.4%と、
日本の再生可能エネルギー比率を大きく上回っています。

日本においてエネルギー自給率を伸ばせるかどうかは、
再生可能エネルギーの普及にかかっていると言っても過言ではありません。

再生可能エネルギーのデメリットや問題点は?

再生可能エネルギーのデメリットや問題点は?

再生可能エネルギーの良いところばかりを見てきましたが、
ここからはデメリットや問題点についても見ていきましょう。

発電コストが高い

再生可能エネルギーの普及をさまたげている原因として、発電コストが高いことが挙げられます。
しかしながら、海外では他の主力電源と張り合えるほどに発電コストが低下していますので、
日本においても再生可能エネルギーの発電コストを下げ、主力電源化することは不可能ではありません。

そのための取り組みとして、後ほどご紹介する固定価格買取制度による
再生可能エネルギーの普及や、その先にある入札制度の導入、
また需要が増加することによる技術開発と導入費用の低下により、
発電コストを低下させる努力を継続する必要があります。

エネルギー変換効率が低い

水力発電を除いて、太陽光発電や風力発電など主力となる再生可能エネルギーの発電効率は、
火力発電や原子力発電よりも低くなってしまいます。

発電効率(エネルギー変換効率)の比較

太陽光発電 約14~21%
風力発電 約30%~40%
火力発電 約42~61%
原子力発電 33%

エネルギー変換効率が低いことも、主力電源化をさまたげている要因の1つですので、
今後の開発技術の進歩によって変換効率が高くなっていくことが期待されています。

発電量が天候などに左右される

再生可能エネルギーのデメリットとして、発電量が天候や季節といった
環境的要因に左右されるため安定しづらいという点があります。

天候の悪化などが続いた場合、電力の供給が滞ったり、
需要と供給のバランスが崩れて大規模停電の原因になるといったリスクがあります。

このデメリットを解消するために、需要と供給のバランスをコントールする
VPP(バーチャルパワープラント)と呼ばれるシステムの実用化に向けた取り組みも進んでいます。

再生可能エネルギーの「固定価格買取制度(FIT)」とは?

再生可能エネルギーの「固定価格買取制度(FIT)」とは?

「固定価格買取制度(FIT)」とは、再生可能エネルギーを用いて発電された電気を、
国のルールとして電力会社が固定価格で買い取ってくれる制度のことを指します。

一般的には「売電制度」と呼ばれており、再生可能エネルギーの普及、
とりわけ太陽光発電の普及に貢献している制度です。

固定価格買取制度(FIT)の買取価格(売電価格)

2019年度における固定価格買取制度(FIT)による主要な再生可能エネルギー電力の
買取価格(売電価格)は、以下のように設定されています。

再生可能エネルギーごとの1kWhあたりの電力買取価格(売電価格)

太陽光発電(10kW未満) 24円(出力制御なし)
26円(出力制御あり)
太陽光発電(10kW以上500kW未満) 14円
風力発電/陸上 19円
風力発電/陸上(リプレース) 16円
風力発電/洋上(着床式) 36円
風力発電/洋上(浮体式) 36円
中小水力発電(200kW未満) 34円
中小水力発電(200kW以上1,000kW未満) 29円
中小水力発電(1,000kW以上5,000kW未満) 27円
中小水力発電(5,000kW以上30,000kW未満) 20円
地熱発電(15,000kW未満) 40円
地熱発電(15,000kW以上) 26円
地熱発電/リプレース(15,000kW未満/全設備更新型) 30円
地熱発電/リプレース(15,000kW未満/地下設備流用型) 19円
地熱発電/リプレース(15,000kW以上/全設備更新型) 20円
地熱発電/リプレース(15,000kW以上/地下設備流用型) 12円
メタン発酵ガス(バイオマス由来) 39円
間伐材等由来の木質バイオマス(2,000kW未満) 40円
間伐材等由来の木質バイオマス(2,000kW以上) 32円
建設資材廃棄物バイオマス 13円
一般廃棄物・その他のバイオマス 17円

※価格は全て税別です。

固定価格買取制度(FIT)の買取期間(売電期間)

再生可能エネルギーによって、電力の買取期間(売電期間)が異なります。
なお、買取期間というのは、上記で示したような設置した年度の買取価格で
電気を売ることができる年数のことを指します。

例えば、2019年度に10kW以上500kW未満の太陽光発電を設置した場合、
1kWhあたり14円で20年間売電することができます。

再生可能エネルギーごとの買取期間

太陽光発電(10kW未満) 10年間
太陽光発電(10kW以上500kW未満) 20年間
風力発電 20年間
中小水力発電 20年間
地熱発電 15年間
バイオマス発電 20年間

固定価格買取制度(FIT)の問題点

固定価格買取制度(FIT)は、太陽光発電などの再生可能エネルギーを
普及させるきかっけとして大きな役割を果たしました。

しかし、上記で紹介した電力の買取価格は、国民一人ひとりに
「再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)」として電気代に加算されています。

つまり、再生可能エネルギーの普及を支える固定価格買取制度(FIT)は、
国民の負担によって成り立っているとも言えます。

しかし、当然ですがこうした固定価格買取制度の問題点が知られるようになり、
一部では批判の声も出るようになりました。

こうした問題点の改善に向けて、将来的には固定価格買取制度の廃止、
またそれに伴う再エネ賦課金の廃止も予定されています。

再エネ賦課金について詳しくは、以下の記事をご覧ください。

再生可能エネルギー賦課金(再エネ賦課金)とは?いつまで続く?推移予想や削減対策

固定価格買取制度を電子申請で手続きする流れ

固定価格買取制度を電子申請で手続きするには、以下の2つの手順を踏む必要があります。

① 「再生可能エネルギー電子申請」のWebページにログイン

ログイン後、事業計画の情報を入力します。
さらに「接続の同意を証する書類」をPDFもしくはZIP形式でアップロードし、事業計画の内容を登録します。

https://www.fit-portal.go.jp/

② 申請の確認・メールによる通知

申請した書類に不備がない場合、事業計画の提出を行ってから1~2か月程度で確認が完了します。
内容の確認が完了すると、メールにより通知が届きます。

電子申請に必要な書類
  • 事業計画書(WEB入力)
  • 接続の同意を証する書類の写し

まとめ

再生可能エネルギーには、太陽光発電や風力発電の他にも、バイオマス発電や太陽熱利用など
様々な種類があることがお分かり頂けたのではないでしょうか。

CO2など温室効果ガスを排出しない再生可能エネルギーは、パリ協定によって定められた
地球温暖化防止のための温室効果ガス削減目標に向けて、欠かせない存在と言えます。

今後、日本における再生可能エネルギーの普及率を海外並にまで引き上げるためには、
発電コストのダウンや発電効率の上昇など、さまざまな課題をクリアしていく必要があります。