世界のトレンドである「RE100」、日本での取り組みは?

「RE100」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?
アップルやネスレなど世界の名だたる企業が加盟しているこの取り組みは、
環境対策を進める上で非常に注目を集めています。

今回は、「RE100」とはどのようなもので、
日本の取り組み状況はどうなっているのかについて見ていきたいと思います。

RE100とは?

RE100とは何かを解説します

RE100とは、「Renewable Energy 100%」の頭文字をとって定められたもので、
事業運営を2050年までに100%再生可能エネルギーで行うことを目標にしています。

このRE100の取り組みは、国際環境NGOの「The Climate Group」が2014年に開始したものです。
この団体は英国ロンドンで設立されてからまだ4年しか経過していませんが、
2018年9月10日現在、全世界で144社が加盟しています。

アップルやネスレの他、BMWなど世界の名だたる企業が加盟しており、
環境に配慮した企業であることから、CSRへ取り組んでいる企業として社会的評価も高まっています。

RE100に加盟する企業は、「事業電力を100%再生可能エネルギーにする」と宣言することが求められます。
ここでいう「再生可能エネルギー」とは、水力、太陽光、風力、地熱、バイオマス等を指します。

また、国際NGOのCDP(カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)を通じて
毎年進捗を報告しなければならず、加盟だけしておくということはできません。
計画的に取り組む必要があります。それでも、RE100に加盟する企業は毎年増加し続けています。

もちろん、事業運営を100%再生可能エネルギーで行うということは、容易なことではありません。
しかし、二酸化炭素の排出量を削減し、低炭素社会を実現するためには、
自ら宣言し実行に移していくことが必要です。

だからこそ、環境意識の高い企業は困難だとわかっていても
それを真剣に実現しようとしているのだと考えられます。

RE100に加盟する条件

RE100に加盟する条件を解説します

RE100に加盟するためには、「事業電力を100%再生可能エネルギーにする」と宣言するだけでなく、
実際に再生可能エネルギーを使って事業を行っていかなければなりません。

再生可能エネルギーを調達する方法には、大きく分けて3つの方法があります。

再生可能エネルギーを自ら発電する

自社の敷地や屋根などを利用して太陽光発電を行うなど、
自社で再生可能エネルギー発電を行い、その発電された電力を使用するというものです。

再生可能エネルギーを購入する

自ら太陽光発電を行うことが難しい場合、再生可能エネルギー電力を購入するという方法もあります。
具体的には、再生可能エネルギー発電所と電力購入契約を締結し供給してもらうというものです。
海外の企業の多くはこの方法を採用しています。

グリーン電力証書を購入する

グリーン電力証書とは、風力・太陽光などの再生可能エネルギーによって発電された
グリーン電力の環境に対する付加価値を証書の形にしたものです。
このグリーン電力証書を購入することで、再生可能エネルギーの使用と認められます。

この他、RE100加盟企業は、毎年報告書を提出しなければなりません。
これは、宣言だけで実際に再生可能エネルギーの利用をしないということがないように、
報告を義務付けているものと考えられます。

事業電力を100%再生可能エネルギーにすることは容易ではなく、
実現するためには、進捗管理が欠かせません。

報告書の内容は、第三者の監査を受けなければならず、
RE100の年次報告書やホームページで公開されるので、嘘をつくことはできない仕組みになっています。

業界別にRE100の加入社数をみると、以下のとおり金融、食品・消費財、製造業が多く、
逆に、医薬品、アパレル、ロジスティクスは少ないことがわかります。

  • 金融 33社
  • 食品・消費財 22社
  • 製造業 21社
  • IT 19社
  • 建設・不動産 10社
  • 通信・メディア 9社
  • 小売 7社
  • ロジスティクス 6社
  • アパレル 5社
  • 医薬品 4社
  • その他 8社

国別でみると、米国が50社と最も多く、次いで英国が28社、3番目が日本で11社、
4番目がスイスとオランダで8社となっています。
インドが4社、中国が2社、台湾が1社加盟していますが、欧米諸国に比べると
アジアはまだまだ低い加盟数になっています。
このように、幅広い業界や国でRE100への参加が広っています。

日本の現状

日本の電力会社の現状について解説します

日本では、これまで東京であれば「東京電力」、東北であれば「東北電力」というように
該当エリアの電力事業者から電力を購入するのが一般的でした。
そのため、電力に対する環境問題は、もっぱら電力事業者の問題と捉えられてきました。

また、電力事業は規制が多いことから、国の政策によって大きな影響を受けます。
これらの状況から日本において100%再生可能エネルギーでの事業運営を実現することは
不可能と思われていました。

しかし、2016年4月1日から日本国内でも電力小売事業が全面自由化されたので、
どのような電力会社から電力を買うのか選べるようになりました。

安定的な電力供給を受けるため既存の電力事業者との契約を直ちに見直すことは難しいかもしれませんが、
自家発電の比率を増やし、再生可能エネルギーでの発電が多い事業者から購入するなど、
その比率を増やしていくことが可能になりつつあります。

環境省も、エネルギーを使う企業みずから積極的に
再生可能エネルギーへの取り組みをするRE100への加盟は、
再生可能エネルギーの推進に非常に有効であると認識しており、同取り組みに賛同しています。

具体的には、環境省の庁舎・施設の電力消費における再エネ比率を向上するための具体的方法を検討し、
外務省をはじめ、関係省庁や関係者と連携しつつ、
日本全体で再生可能エネルギーの導入拡大が進むよう、施策に取り組むとしています。

なお、世界でRE100に加盟している企業は144社でうち日本企業は、以下の11社になります。

  • ソニー
  • リコー
  • 富士通
  • エンビプロ・ホールディングス
  • イオン
  • 丸井グループ
  • 城南信用金庫
  • 積水ハウス
  • 大和ハウス工業
  • アスクル
  • ワタミ

米国、英国に続いて加盟数が3番目に多い日本ですが、
100%再生可能エネルギーとすることは、現実的には難しいのが現状です。

というのも、日本には再生可能エネルギーを固定価格で買い取る制度(FIT制度)がありますが、
この買い取られた電気はRE100では、再生可能エネルギーとして認められていないからです。(2018年9月現在)

そのため、日本企業がRE100で認められる再生可能エネルギーを調達する方法は、
現状では2つしかありません。

1つ目は、自社で太陽光発電などの再生可能エネルギー発電所を設置して自家消費すること、
2つ目は、「Jクレジット」をはじめとする自然エネルギーでの発電による
電気の「環境付加価値」を購入することです。

日本で手に入る電気の「環境付加価値」としては、先に述べた「J-クレジット」、「グリーン電力証書」、
そして、2018年5月からはじまった「非化石証書」があります。

「J-クレジット」、「グリーン電力証書」を購入した場合、
当該電力量について再生可能エネルギーとして認められますが、
「非化石証書」については現時点ではRE100に再生可能エネルギーとして認められていません。

まとめ

現在、世界的な潮流ではCSR対策として環境などへの取り組みをしていない企業に対しては、
投資が積極的に行われない傾向があります。
また、スポンサーとしての入札基準として、環境対策が行われていることが求められたりもします。

そのような中で、RE100に加盟することは対外的に大きなアピールとなります。
再生可能エネルギー100%を実現することは容易ではありませんが、
企業価値を高めるためにもRE100への加盟について検討してみてはいかがでしょうか。

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