ESG投資とは?投資家の傾向を理解して将来の企業価値を高めよう

ESG投資とは?投資家の傾向を理解して将来の企業価値を高めよう

  • 最終更新日:2019年7月10日

ESG投資とは?

ESG投資とは、「環境(Environment)」「社会(Social)」「ガバナンス(Govarnance)」の
頭文字を取った言葉です。

きっかけは2006年、国連が機関投資家に“責任のある投資”を呼び掛けたこと。
それ以降、利益を追求するあまり、人権問題を無視した労働を強いている企業や、
環境破壊を行っている企業などに対しての投資を控え、
あるいは、株を売り資金を引き揚げるといった投資家が世界的に増えているのです。

たとえば、今私たちが当たり前のように着ている衣服。
原材料はどこで取られたのか、そしてどこで作られたのかを
確認して購入しているという方は少ないと思います。

こういった衣服の製造場所が、中国やインドなどである場合があります。
人件費の安い国々に委託すれば、もちろんコストは下がります。

しかし、現地で働く人々の実態はどうでしょうか。
安い給与で寝る暇もなく働かされているのかもしれません。
つまり、衣服を安く生産する代わりに、現地ではもしかしたら
人権を無視した労働環境が発生している可能性もあります。

同じような状況は、ほかの分野でも考えられます。
建築業の場合、木材を多量に仕入れることで、森林伐採などの問題が起きていることもあります。

このような情報を開示して、人権や環境の面で安心できる企業に投資を行うこと、
あるいは安心できない企業への投資を控える風潮を「ESG投資」と呼びます。

海外ではすでに多くの企業がこの問題に目を向け、リスク管理の一環として乗り出しています。
たとえば、2014年の運用資産におけるESG投資の比率を見てみると、
ヨーロッパでは約60%、アメリカは約18%という結果になっています。
それに対し、日本を含むアジアはわずか0.8%とまだまだ浸透していないことがわかります。

ESG投資の評価となる事例

ESG投資の評価となる事例

では、具体的にどのような活動を行えば、
ESG投資の対象と言える「ESG経営」としてみなされるのでしょう?

たとえば「環境」の場合、エコカーや太陽光発電設備などを取り入れるというのも取り組みのひとつです。
また、自社ビルや工場をお持ちの方は、屋上や敷地の緑化なども環境への取り組みとして挙げられます。

「社会」への取り組みとしては、災害時に食料や水、避難場所を提供する、
労働者の人権問題に取り組むといった方法が挙げられます。
東日本大震災の際には、被災地支援を行った企業の多くが、高い評価を得ています。

また、「ワーク・ライフ・バランス」を考えた働き方改革も、ESG経営のひとつです。
従業員としては、働き方が変わることにより家庭で過ごす時間も増え、仕事へのやりがいが生まれます。
同時に企業としては、働きやすい環境が評判を呼び、
企業のイメージアップになり労働者の増加につながります。

こういった取り組みは認知されにくいものですが、
地域によってはワーク・ライフ・バランス推進に取り組む企業を認定するところもあり、
「見える化」を図ることも可能です。

一方「ガバナンス」面は、女性のキャリアアップの推進、
会社の腐敗防止に取り組むといった事例が挙げられます。

日本では海外のようにESG経営の取り組みを大々的に行う企業は多くありませんが、
まずは身近なところから始めてみるのが大切です。
たとえば、環境に配慮した労働環境を整える、
空調の温度管理やグリーンカーテンの設置といった、
今から挑戦できることから手を付けてみるのもおすすめです。

もちろん、コスト的な余裕がある場合には、太陽光発電やエコカーなどの導入も
長い目で見れば、企業価値を高めることにつながります。

ESG投資の課題と未来

ESG投資の課題と未来

ESG投資を意識した活動は今後重要になってくるものの、メリットばかりではありません。
建設関係の場合、ESG経営を達成しようとして、
森林破壊が指摘されていない地域から木材を仕入れるとなれば、
原価の高騰は目に見えて明らかです。

業種によっては、コスト削減のために人件費の安い海外へ、
作業の委託を行っているというところも少なくないでしょう。

しかし、これから先はESG課題への取り組みを行っていないと、
将来の企業価値に大きく影響する可能性も出てきます。

2020年の東京オリンピックを控え、世界の目が日本に向けられています。
今、日本企業がどのような活動を行うかによって、投資家たちの行動が変わってくる可能性があります。
環境、人権など「ESG」に配慮していないことが、投資家の企業評価の面で大きな影響になる……
そんなリスク管理が必要となる時代がすぐそこまでやってきているのです。

人権問題への取り組みとして、ワーク・ライフ・バランス改革を行えば、
有能な人材確保や従業員の満足度・意欲向上などにもつながります。
大切なのは「今、企業として取り組めること」を見つけること。
これにより未来の企業価値を作り上げることにもつながっていくのです。

企業価値の向上に向けて、できることから始めよう

今、世界の投資家たちは、環境や社会への取り組みとして、
「企業がどんな活動を行っているか」も重視しています。
日本ではまだこの考えが浸透しておらず、対策も限定的であるという課題もあります。

しかし、ESG課題への取り組みを行わないと、将来の企業価値を下げることにつながりかねません。
では、企業としてどのようなESG課題への取り組みができるのか?
まずは「今、企業として取り組めること」から始めてみましょう。

環境に配慮したエコカーや太陽光発電設備を取り入れるのも、
目に見えるESG経営への取り組みのひとつといえるでしょう。

これからは「ESG投資の評価を意識したリスク管理」も取り入れてみませんか?