世界におけるSDGsの達成状況や取り組み事例

世界におけるSDGsの達成状況や取り組み事例

  • 最終更新日:2019年9月13日

世界におけるSDGsの達成状況や取り組み事例

ここ最近、メディアなどを通じて「SDGs」を目にする機会が増えているのではないでしょうか?
残念ながら、世界に比べて日本におけるSDGsの取り組みはまだまだ遅れていると言われています。

この記事では、世界におけるSDGsの達成状況や取り組みについて、詳しくご紹介していきます。

そもそもSDGsとは?

そもそもSDGsとは?

SDGsは、2015年9月にニューヨークの国連本部において開催された
「国連持続可能な開発サミット」において採択されたアジェンダです。

SDGsは17の持続可能な開発目標と、169項目のターゲットによって構成されています。

SDGsが掲げる目標には、「貧困の撲滅」や「飢餓を無くす」などがありますが、共通しているのは
「2030年までに持続可能な形で、世界中の人々や環境をより良い方向へ向かわせていく」ということです。

SDGsについて詳しくは、以下の記事をご覧ください。

SDGs(持続可能な開発目標)とは?17目標の意味や意義

世界全体におけるSDGsの達成状況

世界全体におけるSDGsの達成状況

ここでは、世界全体におけるSDGsの達成状況についてご紹介していきます。

世界の地域ごとのSDGs達成率(%)

以下の表は、2019年6月に出された「Sustainable Development Report 2019」に
掲載されている世界の地域ごとのSDGs達成率(平均値)を集計したものです。
数字が高い方がより達成に近いことを表しています。

  欧州
※48カ国
オセアニア
※2カ国
北米
※2カ国
中南米
※25カ国
アジア
※19カ国
中東
※15カ国
アフリカ
※45カ国
SDGs-1 99.1 100.0 99.4 93.6 97.6 88.1 60.3
SDGs-2 65.7 64.6 70.6 54.8 55.4 52.0 42.3
SDGs-3 85.8 94.2 92.0 76.2 69.7 75.1 49.1
SDGs-4 89.4 95.6 95.7 76.0 73.5 67.8 46.8
SDGs-5 75.0 81.9 78.5 70.7 61.7 49.3 54.0
SDGs-6 86.3 87.8 83.0 88.9 81.0 47.9 63.2
SDGs-7 84.9 88.4 89.7 78.0 63.2 75.3 33.8
SDGs-8 74.7 87.8 86.8 65.8 70.8 57.1 52.0
SDGs-9 52.5 75.2 80.5 25.9 36.8 41.0 16.5
SDGs-10 75.0 77.1 63.4 34.9 63.1 55.1 46.9
SDGs-11 82.6 82.6 84.4 77.5 67.7 61.2 58.6
SDGs-12 61.7 52.8 44.9 71.5 72.9 65.3 77.9
SDGs-13 84.0 55.5 65.9 85.7 82.5 69.2 83.8
SDGs-14 50.9 55.9 51.9 49.5 45.5 44.8 48.4
SDGs-15 67.0 36.0 47.9 54.7 53.2 53.0 64.1
SDGs-16 73.0 85.2 79.2 52.7 67.2 68.5 55.6
SDGs-17 61.1 62.0 60.3 69.7 51.7 59.9 64.0
平均 75.1 75.4 74.9 66.8 65.7 60.8 54.0

参照:
・一般社団法人 英語4技能・探究学習推進協会 (ESIBLA)「世界の各地域におけるSDGs(持続可能な開発目標)の目標達成状況と課題
(データ参照元:Sustainable Development Report

世界全体のSDGs達成度ランキング上位20カ国

以下は、国連持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(SDSN)が発表した
最新のSDGs達成度ランキングです。(2019年6月時点)

1位 デンマーク
2位 スウェーデン
3位 フィンランド
4位 フランス
5位 オーストリア
6位 ドイツ
7位 チェコ
8位 ノルウェー
9位 オランダ
10位 エストニア
11位 ニュージーランド
12位 スロベニア
13位 イギリス
14位 アイスランド
15位 日本
16位 ベルギー
17位 スイス
18位 韓国
19位 アイルランド
20位 カナダ

参照:Sustainable Development Report

上記のランキングを見ると日本は15位で、上位はすべて
欧州の国々が占めていることが分かると思います。

世界におけるSDGsに対する取り組み事例

世界におけるSDGsに対する取り組み事例

続いて、世界におけるSDGsに対する代表的な取り組み事例について見ていきましょう。

デンマークの「UNLEASH Lab」

最新のSDGs達成度ランキングで1位となっているデンマーク。
このSDGs大国では、「UNLEASH Lab」というイノベーションラボの第1回が開催されました。

2017年8月に開催された「UNLEASH Lab 2017」には、世界中の20~30歳のミレニアル世代と呼ばれる
若い起業家や学者など1,000人が集まりました。

その後、2018年5月にシンガポール、2019年11月に中国と場所を移して
同様のイベントが開催されています。

「UNLEASH Lab」では、SDGsが課題として挙げている17の目標・問題に対して、
アクティブラーニングなどを通じて有効なソリューション(解決手段)を考えることを目的としています。

結果的に、「UNLEASH Lab 2017」では197のソリューションが誕生しました。
誕生したソリューションを実現するために、さまざまな組織や企業がバックアップしています。

プラスチックゴミを解決する再生可能ラップ

「UNLEASH Lab 2017」のなかで生まれたソリューションの1つに、
プラスチックゴミ問題を解決するための再生可能ラップ「Reusable Smart Pallet Wrapping」があります。
現在も再生可能なラップは販売されていますが、コストが高くあまり浸透していません。

しかし、この「Reusable Smart Pallet Wrapping」はコストが抑えられているうえに、
1,000回の再利用も可能ということで、導入が進むのではないかと期待されています。

仮に上記の再生可能ラップが商品化された場合、

  • プラスチック廃棄物の石油使用量:95%削減
  • プラスチック廃棄物のCO2排出量:80%削減
  • プラスチック廃棄物による環境負荷:50%削減

が期待できるとされています。

ちなみに、このソリューションを考案したチームには日本人も参加していました。

デンマークに浸透するSDGsの考え方

デンマークのSDGs活動は、上記でご紹介した「UNLEASH Lab」だけではありません。
なんといってもSDGs達成度ランキング1位の国ですから、
街の中や国民一人ひとりにまでSDGsの考え方が浸透しています。

その一例として、デンマークのオーガニック食材の利用率の高さが挙げられます。
デンマークは、29歳以下のオーガニック食材の利用率が世界トップクラスの10.3%と高く、
レストランや大学の食堂、スーパーなど多くの場所でオーガニック食材を提供しています。

また、「UNLEASH Lab」のプログラムを体験できるツアーには、
若者だけでなく高齢の方も多く参加しているようです。
デンマークでは、若者からお年寄りまで全世代の人たちが、
SDGsの目標達成に向けて意識的に取り組んでいるのです。

参照:「2030 SDGsで変える」(朝日新聞社)12

国全体にSDGsが浸透するスウェーデン

スウェーデンも、デンマークと並んでSDGsに取り組んでいる国として知られています。
最新のSDGs達成度ランキングではデンマークに次ぐ2位となっており、
デンマーク同様に学ぶべきことが多い国といえます。

SDGsが目指している「持続可能(サステナビリティ)な社会」と聞くと、
エコや省エネなどの印象と重なり、なにか今の便利さを犠牲にして
環境を守ろうとしているような印象を持つ人もいるかもしれません。

しかし、スウェーデンが実践しているサステナビリティ社会を見てみると、
SDGsに則った社会が人々をより豊かにしてくれることが分かると思います。

分別した缶詰で出来た橋や生ゴミで走る車や電車

スウェーデンでは、ゴミを約100種類に分別しています。
大変だなと思うかもしれませんが、誰もがいつでも簡単に分別できるシステムによって、
年間200万トンにのぼる家庭ゴミのうち、実に99%がリサイクルやゴミ発電所の燃料に回されています。

スウェーデンの街中には、分別した缶詰のゴミで作られた橋や、
電気と生ゴミ(バイオガス)を燃料にして走る車や電車、バスなども存在しています。
スウェーデン市内のバスは、1kgの生ゴミで約2キロ走るといいます。

また、スウェーデンのゴミ発電所では、国内のゴミだけでは足りなくなり、
海外からゴミを輸入するほどだとか。ゴミを燃料とした発電によって、
スウェーデン国内で25万世帯の電力をまかなっているといいます。

環境に対するルールが意識をつくる

スウェーデンにSDGsが浸透している背景として、
環境に対するルールを国民全体が理解していることが挙げられます。

そのルールとは、

  1. 環境循環の一部になる
  2. 「地下」よりも「地上」のエネルギーを選ぶ
  3. 生物の多様性を保護する

となっています。

1の「環境循環の一部になる」ですが、これは自然にかえせる量しか資源を取らないというルールで、
再生に数百万年もの時間がかかる石油(プラスチック)より、
10~30年で再生する木や1年で再生する竹やバナナを使っていこうというものです。

2の「地下」よりも「地上」のエネルギーを選ぶというルールは、
地下に眠る石炭や石油といった資源ではなく、地上にある太陽光や風などを使った
再生可能エネルギーにシフトしていこうというルールです。

1と2の源になっているのが生物の多様性です。
そのため、1と2のルールを実行するためにも、生物多様性の保護が必要なのです。

スウェーデンでは、こういったルールに基づいて法律や教育、企業のルールがつくられています。
SDGsで世界トップランクなのも頷けますね。

まとめ

2019年6月に発表された世界のSDGs達成度ランキングで、日本は昨年と変わらず15位と発表されました。
この結果から、日本国内でSDGsの認知は広まってきてはいますが、
まだまだ上位の国と比べると差があることがわかります。

もちろん、ランキングは1つの指標に過ぎませんが、
この記事で紹介したようなデンマークやスウェーデンのSDGsに対する取り組みを見てみると、
日本におけるSDGsの取り組みはまだ始まったばかりであることが分かると思います。

今後も上位の国の取り組みを参考に、日本でも国民一人ひとりが持続可能なより良い世界を目指し、
「誰も切り捨てない」という意識を広めるために、官民一体となって推進していくことが必要だと感じます。