【2020年】法人施設への太陽光発電設備導入に使える環境省の補助金について解説します

  • 最終更新日:2020年7月30日

環境省の「サプライチェーン改革・生産拠点の国内投資も踏まえた脱炭素社会への転換支援事業」の公募が令和2年6月30日(火)より開始されました。
この事業では、民間企業が、自家消費型太陽光発電設備・蓄電池等を導入し、事業に採択された場合、
契約形態に応じて

  • 太陽光発電設備(4万円/kW~6万円/kW)
  • 蓄電池(3万円/kW)
  • 設置工事費相当額 定額(10万円)

の補助金を受け取ることができます。
この「サプライチェーン改革・生産拠点の国内投資も踏まえた脱炭素社会への転換支援事業」を活用することで、自家消費型太陽光発電設備の導入コストを削減し、投資回収年数を短縮できる場合があります。

この記事では、「サプライチェーン改革・生産拠点の国内投資も踏まえた脱炭素社会への転換支援事業」の公募期間、対象となる事業、金額といった概要をご紹介いたします。

目次 [閉じる]

※補助金の交付および審査は各団体が行うものであり、当社が補助金の交付および審査について直接又は間接的に関与するものではございません。
※補助金額は、必ずしも満額が交付されるとは限りません。

「サプライチェーン改革・生産拠点の国内投資も踏まえた脱炭素社会への転換支援事業」(二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金) とは

「サプライチェーン改革・生産拠点の国内投資も踏まえた脱炭素社会への転換支援事業」は、脱炭素化の推進と防災のために、自家消費型太陽光発電設備の導入を支援する、環境省の事業です。
事業の執行団体は、一般財団法人環境イノベーション情報機構となります。

(参考:一般財団法人 環境イノベーション情報機構「【公募のお知らせ】サプライチェーン改革・生産拠点の国内投資も踏まえた脱炭素社会への転換支援事業(二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金)」 )

事業の目的

この事業は企業のエネルギー供給に活用できる自家消費型太陽光発電設備の導入を支援することで、
サプライチェーンにおけるエネルギー供給の防災性向上を目的としています。

一般財団法人環境イノベーション情報機構の資料によると

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、我が国のサプライチェーンの脆弱性が顕在化したことから、企業等が国内の生産拠点等を整備しようとする場合に、RE100の推進や防災に資する自家消費型太陽光発電等を導入する事業に要する経費の一部を補助することにより、レジリエンスの向上と脱炭素社会への転換に資することを目的とします。

(引用元:一般財団法人 環境イノベーション情報機構「サプライチェーン改革・生産拠点の国内投資も踏まえた脱炭素社会への転換支援事業(二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金)」p3  )

となっており、新型コロナウイルス感染症により顕在化したリスクに対応する趣旨が記載されています。

予算額

この事業の予算額は50億円(令和2年度補正予算額)です。

「サプライチェーン改革・生産拠点の国内投資も踏まえた脱炭素社会への転換支援事業」の公募期間

この事業では、令和2年(2020年)のうち第一次~第三次まで、計3回に分けて公募が実施されます。

  • 第1次:6月30日(火)~7月31日(金)正午まで【必着】
  • 第2次:8月3日(月)~8月31日(月)正午まで【必着】
  • 第3次:9月1日(火)~9月30日(水)正午まで【必着】

ただし、予算額(50億円)に達した場合は、それ以降の公募を実施しない場合がある旨が事前に告知されています。

どういった事業に補助金が交付される?

「サプライチェーン改革・生産拠点の国内投資も踏まえた脱炭素社会への転換支援事業」では、

  • 自家消費型太陽光発電設備
  • 蓄電池

以上の設備を、施設又は住宅に設置する事業に対し、それに係る補助金申請が採用された場合に補助金が交付されます。
ただし、

  • 設置対象となる施設
  • 契約形態

によって、補助金の基準額が異なってきます。
詳細は後述しますが、いずれの場合も停電時に電力を供給できる10kW以上の自家消費型太陽光発電設備の導入が、
必須条件となります。

そもそも「自家消費型太陽光発電設備」とは→発電した電力を自社で使用する太陽光発電

補助金に関する条件をご説明する前に、「自家消費型太陽光発電設備」について解説します。

自家消費型太陽光発電設備とは、太陽光発電システムで発電した電力を、自社施設で使用する設置形態です。
施設で使用する電力の一部を、自社で発電する電力で賄うことができます。
そのため、電力会社から購入する電力を削減できるほか、停電時に日中の非常用電源として活用できる場合があります。
また、発電した電力によるCO2削減効果を訴求することが可能です。

(注:上記の自家消費型太陽光発電設備に関する解説は、当該事業の概要に記載された解説・定義ではなく、弊社による補足説明となります)
(注:自家消費型太陽光発電設備を日中の非常用電源として活用する場合、自立運転型のパワーコンディショナの導入が必要となります)

自家消費型太陽光発電設備について、詳しくはこちらの記事をご覧ください

【2020年最新版】自家消費型太陽光発電とは?メリットとデメリットを紹介 | 太陽でんき®

補助金はいくらもらえるのか、対象となる施設と契約形態について

対象施設・契約形態による補助金の金額形態が複雑なため、一般財団法人 環境イノベーション情報機構による対象事業の一覧表を元に解説いたします。

補助金の基準額は?いくらもらえる?


(引用元:一般財団法人 環境イノベーション情報機構「サプライチェーン改革・生産拠点の国内投資も踏まえた脱炭素社会への転換支援事業(二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金)」p4 )

簡単にご説明すると

  • 自家消費型太陽光発電設備の設置→設置対象施設と契約形態に応じて4万円/kW~6万円/kW
  • 上記に加えて、蓄電池を設置する場合→産業用の場合3万円/kW、住宅用の場合2万円/kW
  • 太陽光発電設備・蓄電池のそれぞれの工事に対して、10万円(定額)

が交付されます。
(注:蓄電池単体での設置の場合は事業の対象外。対象となる自家消費型太陽光発電設備も後述の通り諸条件があります。補助金の詳細は引用元資料をご確認ください)

対象事業、契約形態についても要約すると、

  • 工場や物流施設で、オンサイトPPAモデルでの導入なら6万円/kW、自社で発注・所有する場合やリースでの導入の場合は5万円/kW
  • 工場や物流施設以外の施設で、オンサイトPPAでの導入なら5万円/kW、自社で発注・所有する場合やリースでの導入の場合は4万円/kW

となります。

200kWの太陽光発電設備を向上に設置する場合は1,010万円

例えば、上記の表のうち②事業(例:自社工場への自家消費型太陽光発電設備の設置)の契約形態で、200kWの自家消費型太陽光発電設備を設置した場合、

5万円× 200kW + 10万円 = 合計1,010万円

が支給されます。
(注:上記試算は、公表された資料に基づき対象事業として採択された場合の試算となります。補助金の交付には事務局による審査がございます。実際に上記金額が交付されることをお約束するものではございません

設置対象となる施設(対象事業)について

対象事業は設置対象となる施設と契約形態に応じて、①事業から⑥事業まで6つに分かれています。
ここでは一般財団法人 環境イノベーション情報機構の表に応じて、設置対象となる施設を基準に2つに分けて解説します。

大別すると、「工場・物流施設に該当するか、それ以外の施設か」によって区分が異なります。

①・②・③事業(工場、物流施設)

公募要領に記載された対象施設を引用します

●令和2年度補正予算サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金
(経済産業省)の交付の要件を満たす施設であり、同補助金の交付決定を受け
た施設
●これに準ずる施設
1 工場
日本標準産業分類(平成 25 年総務省告示第 405 号)に掲げる製造業又は情報
通信業の用に供される施設
又は
2 物流施設
日本標準産業分類に掲げる道路貨物運送業、外航海運業、沿海海運業、航空
運輸業、倉庫業、港湾運送業、貨物運送取扱業、卸売業、製造業又は小売業の
用に供される倉庫又は配送センター

(引用元:一般財団法人 環境イノベーション情報機構「募集要領 サプライチェーン改革・生産拠点の国内投資も踏まえた脱炭素社会への転換支援事業(二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金)」p4 )

上記のように、工場や物流施設に、自家消費型太陽光発電設備を設置する場合が①~③事業に該当します。
(ただし、令和2年4月7日以前に対外的に発表した事業の場合は、対象外となります)

④・⑤・⑥事業(業務用施設、産業施設、住宅)

オンサイトPPAモデル(④事業)の場合、

業務用施設、産業用施設、公共施設、共同住宅、戸建て住宅等

(引用元:一般財団法人 環境イノベーション情報機構「募集要領 サプライチェーン改革・生産拠点の国内投資も踏まえた脱炭素社会への転換支援事業(二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金)」p4 )

自社で発注・所有する場合やファイナンスリース(⑤事業、⑥事業)の場合、

業務用施設、産業用施設、共同住宅等

(引用元:一般財団法人 環境イノベーション情報機構「募集要領 サプライチェーン改革・生産拠点の国内投資も踏まえた脱炭素社会への転換支援事業(二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金)」p4 )

上記のようになります。

契約形態(PPA・・ファイナンスリース)について

上記の区分に加えて、契約形態に応じて補助金の基準額が異なります。
いずれの場合もオンサイトPPAモデルが最も補助金額が高くなります。

オンサイトPPAモデルの場合

オンサイトPPAモデルとは、自社施設の屋根に第三者(発電事業者)が太陽光発電設備を設置し、
発電事業者と「発電した電力を購入する契約」を締結する導入方式です。

(画像は株式会社エコスタイルが提供するPPAモデル

「サプライチェーン改革・生産拠点の国内投資も踏まえた脱炭素社会への転換支援事業」では、オンサイトPPAモデル事業について、

太陽光発電設備等の所有者等である発電事業者が、需要家の施設等に太陽光発電設備等を当該発電事業者の費用により設置し、所有・維持管理等をした上で、当該太陽光発電設備等から発電された電力を当該需要家に供給する契約方式

(引用元:一般財団法人 環境イノベーション情報機構「募集要領 サプライチェーン改革・生産拠点の国内投資も踏まえた脱炭素社会への転換支援事業(二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金)」p10 )

と、しています。
オンサイトPPAモデルの場合、需要家(自家消費型太陽光発電設備を設置する施設を保有するお客様)は、施工関連費用を負担せず、太陽光発電設備を保有しません。
そのため、「サプライチェーン改革・生産拠点の国内投資も踏まえた脱炭素社会への転換支援事業」の補助金は、「発電事業者による、サービス料金の低減」などの方式で、発電事業者経由で還元されます。
(補助金額の5分の4以上)

ファイナンスリースの場合

ファイナンスリースの場合は、リース会社が代表事業者となり、需要家(自家消費型太陽光発電設備を設置する施設を保有するお客様)は、共同申請者となります。
リース料から補助金相当額が減額されます。

どういった自家消費型太陽光発電設備が対象となる?

設置する自家消費型太陽光発電設備の条件について確認していきます。

自家消費型太陽光発電設備は停電時に対応できる機能が必須

「サプライチェーン改革・生産拠点の国内投資も踏まえた脱炭素社会への転換支援事業」は、災害などによる停電時も操業できるサプライチェーン生産拠点の整備を目的としています。
そのため、この事業で導入する自家消費型太陽光発電設備は、停電時にも電力を供給できる機能が必須となります。
また、環境価値を設置する施設に帰属させる必要があることから、固定価格買取制度による売電は対象外となります。

【太陽光発電設備】
●停電時にも必要な電力を供給できる機能を有すること
●FIT(固定価格買取制度)による売電は不可
●導入する設備から得られるエネルギー量が、原則として平時に使用するエネルギー量を考慮した
適正な量であること
●太陽電池出力が10kW以上であること(④事業における戸建て住宅を除く)

(引用元:一般財団法人 環境イノベーション情報機構「サプライチェーン改革・生産拠点の国内投資も踏まえた脱炭素社会への転換支援事業(二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金)」p6 )

「停電時にも必要な電力を供給できる機能」は、自立運転機能付きのパワーコンディショナーの導入でも要件を満たします。
そのため、蓄電池の設置は必須条件ではありません。
※パワーコンディショナー・・・太陽光発電モジュールによって発電された直流の電気を、交流に変換する装置

なお、太陽電池出力は、太陽電池モジュールの合計値とパワーコンディショナーの定格出力合計値の、いずれか低い方が採用されます。

蓄電池は据え置き型のみ。自家消費型太陽光発電設備での蓄電が前提

蓄電池は、自家消費型太陽光発電設備と同時設置する場合が対象となります。蓄電池単体での導入では申請できません。
また、系統(電力会社からの電力)による充電ではなく、太陽光発電設備への接続が必要となります。

【上記に付帯する設備:蓄電池設備(蓄電池設備のみの申請は不可)】
●据置型(定置型)に限る
●原則として、系統からの充電は行わず、太陽光発電設備によって発電した電気を蓄電するもの
であり、平時において充放電を繰り返すことを前提とした設備とすること
(平時は常時満充電で停電時にのみ使用することは不可)
●将来、自立的に普及する蓄電システム市場の成立を目的とし、市場の活性化と、量産体制整備後
のさらなるコストダウンを加速させるため、機器ごとの保証年数に応じて設定した目標価格以下
の蓄電システムであること(※目標価格については、公募要領5~6ページ参照のこと)

(引用元:一般財団法人 環境イノベーション情報機構「サプライチェーン改革・生産拠点の国内投資も踏まえた脱炭素社会への転換支援事業(二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金)」p6 )

据置型に限定されているため、日産リーフなどの電気自動車を蓄電池として活用することはできないと考えられます。

事業のスケジュール

「サプライチェーン改革・生産拠点の国内投資も踏まえた脱炭素社会への転換支援事業(二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金)」は、令和2年6月30日より公募が開始しています。
今後、応募された書類を8月より一般財団法人 環境イノベーション情報機構が審査。最短で8月中旬より採択の決定が行われます。
事業スケジュール
(引用元:一般財団法人 環境イノベーション情報機構「サプライチェーン改革・生産拠点の国内投資も踏まえた脱炭素社会への転換支援事業(二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金)」p6 )

事業の遂行(工事請負契約・着工)後、令和3年2月26日までの検収と工事料金の支払が必要となります。
その後、完了実績報告書の提出後、3月31日までに補助金が支払われます。
(参考:一般財団法人 環境イノベーション情報機構「募集要領 サプライチェーン改革・生産拠点の国内投資も踏まえた脱炭素社会への転換支援事業(二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金)」p16)

エコスタイルならシミュレーションから見積まで補助金申請を支援可能。お気軽にご相談を。

このように、「サプライチェーン改革・生産拠点の国内投資も踏まえた脱炭素社会への転換支援事業」の申請には様々な条件があります。
今回ご紹介した、施設や自家消費型太陽光発電設備の要件だけではなく、蓄電池の性能などについても指定があります。
また、応募に際しては実施計画書や年間使用電力、CO2削減量、ランニングコスト削減の試算の書類が必要となります。

株式会社エコスタイルでは、様々な工場・物流施設に自家消費型太陽光発電設備を導入いたしております。
太陽光発電システムの見積はもちろん、発電量やCO2削減量の試算もご提出させていただき、
補助金の申請を伴走支援いたします。

「サプライチェーン改革・生産拠点の国内投資も踏まえた脱炭素社会への転換支援事業」は予算額に達し次第終了となる事業となります。
まずはお気軽にご相談ください。